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2016年4月29日金曜日

Tony Orlando and Dawn - Tie a yellow ribbon 'round the ole oak tree

こんばんは。古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、ブックオフでマキタスポーツさんの「すべてのJ-POPはパクリである 【現代ポップス論考】」を見つけて電車でにやけた名久井翔太です。どうぞよろしく。

笑ったのは4つのヒット曲の法則、の所で、特に「カノン進行」と「歌詞」の所です。前から知ってはいましたが、改めて見て面白いと思いました。

まずはカノン進行。カノンというのはパッヘルベルというクラシックの作曲家の作品で使われるコード進行です。パッヘルベルのカノン。皆さんもどこかでお聴きになったかと思います。

コード進行は以下の通りです。

C - G/B - Am - Em/G - F - C/E - Dm - G

CとかBはコードの名前なので、習った事が無い方の為に簡単に説明します。

コードというのは3つ以上の音を同時に鳴らした物をいいます。または和音です。

「ド・ミ・ソ」の3つを同時に鳴らすとCメジャー (普通はメジャーの部分は省略、またはCMと書かれます。)というコードが出来ます。Gは「ソ・シ・レ」の3つ。

DmはDマイナーと読みます。Dメジャーは「レ・ファ♯・ラ」ですが、マイナーコードの場合はルート音から数えて三つ目「三度音」が♭、つまり半音下がります。したがって、Dマイナーは「レ・ファ・ラ」となります。

そしてG/BとかEm/Gですが、Gはソの音、Emはミの音がルート音ですが、あえてルートから3つ目の音をルート音、つまり一番低い音として鳴らす事で美しく感じるようになりカノン進行においてはすんなりと一音ずつ下げられます。

どの音が基本の音なのかはCはドから始まる和音、というのを念頭に置くと自然と分かるようになります。

どこまでアルファベットが使われるのかというと。

C=ド 以下略
G=ソ
A=ラ
B=シ

Bまで来たらまたCに戻ります。

おかしいと思った方。かなり音楽を勉強されてる方と思います。なんでドはAじゃなくCから始まるのか。

コードネームにアルファベットを使うのはドイツが発祥です。

オーケストラのチューニング合わせは「ラ」の音に合わせています。 

因みにピアノの鍵盤。一番左、つまり一番低い音はラなんです。

後者は別として、それがきっかけでラ=Aになりました。

それが日本にも伝わりましたが、日本にも独自のコードネームが…それはまた別の機会に。

さて、大分長くなりましたのでここらでまたカノン進行のコードを。

C - G/B - Am - Em/G - F - C/E - Dm - G

誰でも聴いた事があるヒット曲の中にはキーは違えど、この法則に則った物がゴマンとある訳です。マキタスポーツさんは以下の曲をカノン進行の曲の一部で紹介しています。

•山下達郎 - クリスマス・イヴ
•松任谷由実 - ひこうき雲
•徳永英明 - 壊れかけのRadio
•大事MANブラザーズバンド - それが大事
•岡本真夜 - TOMORROW
•ZARD - 負けないで
•KAN - 愛は勝つ

この内、KANさんの「愛は勝つ」、大事MANブラザーズバンドの「それが大事」は「一発屋」の代名詞、としています。(ただ、KANさんはこれ以降オリコン上位に入る作品をリリースしています。)

そしてカノン進行について以下のように述べています。(勝手に載せて申し訳ないです。)

「カノン進行を用いたヒット曲には『曲の効能を増幅させる力があるため、それ以降たとえ良い曲を作ったとしてもヒットに恵まれない可能性』も多分に含んでしまうのです。」

「ヒットしたことにより周囲の環境がガラリと変わって、同じような作品を望まれるプレッシャーの中で作曲者自身が葛藤に悩んでしまうことも多いでしょう。」

カノンというのはその曲自体がかなり美しすぎてしまうゆえに、その壁を乗り越える事が出来ないという罠が仕掛けられています。まさに「美しいバラにはトゲがある」ですね。

続いては歌詞。

マキタスポーツさんは、最近のJ-POPの類似性が高いのには、カノン進行で作られているだけでなく、歌詞にも似たフレーズが頻出している事も関係している、という現象を発見しています。

例えば「桜」。

3月とか4月になると「桜」がタイトルや歌詞に入った曲や、「桜」の季節=卒業式・入学式、になぞらえて「永遠の友情」、とか「再会の誓い」、とか「離れ離れになる前に告白」、とか「喧嘩もしたけどなんだかんだ言って私はみんなと一緒だったから楽しかった、ありがとう」とか。そういった物をテーマにして、そのような季節にヒットする事を狙った物が新曲として発表されています。

1ヶ月ぐらい前にミュージック・ステーションとかで「卒業のシーズンに聴く曲の紹介」とかそういうのがありました。私は斜に構えて見てました。他の人達は「あの曲良いよね〜」と共感するでしょうが、素直じゃない部分も兼ね備えて育った私は共感できない物があります。もしくは学生受けしてそれより上の年齢の人にはピンと来ないものもあるのでしょうが。

マキタスポーツさんは、桜ソングに関して果たしてウルッとした人達が増えたのか?という疑問・興味を持ち、この20年程のヒット曲に使われていたフレーズを1ページ大胆に使って紹介しています。

さすがにそれを載せると大変なので、その下に定型句をまとめていましたのでそれを載せたいと思います。

以下のように。

翼 扉 桜 夢 季節 奇跡 永遠 言葉 宝物 エール 強がり 弱虫 大丈夫 受け止める ありがとう 歩き出そう 大切な日々

どうです?

どの曲に具体的に思い出せなくても、そのような傾向はあると思うでしょう。

「愛」とかじゃないんです。「友情」とか「絆」とかその辺りのテーマが浮かぶ事でしょう上の太字を見れば。

そして上の太字に関して、その後に枕詞に当たる言葉を置くことで聴き心地の良いフレーズが出来る、としています。例えば、翼=広げる、桜=舞い散る、永遠=続く、エール=送るとか。

そのような歌詞ばかりの曲が蔓延してることについてマキタスポーツさんは、「J-POPは工業製品なのではないか」と仮説をうち立てます。

なんとも皮肉なものです。

桜は植物なのに面白おかしくたくさんテーマにされて学生たちの涙を誘っておきながらこのようにネタにされたり工業製品だとか言われたり、友情なんて友達が100人いれば100通り付き合い方とか他の人にはないものがもしかしたら生まれるかもしれないのに面白おかしくたくさんテーマにされてそれが薄っぺらいものに感じさせたりして。 

それも音楽家や評論家ではなく芸人さんが仰ってるものですから笑ったり共感できたりして、この本は実に面白い。

まだ全部見終わってませんが、皆さんもこの本を見つけた際は是非最後まで読んでみてください。

超長くなりましたが、後半の洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽 

今日はトニー・オーランド&ドーンで幸せの黄色いリボンです。


トニー・オーランドは1944年4月3日ニューヨーク生まれ、ギリジャ人の父とプエルトリコ人の母を持つアメリカ人です。

1961年頃からスタジオシンガーとして活動していました。「Halfway to paradise」とか「Bless you」、「Beautiful Dreamer」を歌っています。

後に音楽を離れてCBSレコード系の出版会社で勤務したりしますが、「恋するキャンディダ」という曲のデモテープを作ったところ評判が良く、再びシンガーとして活動します。

この時にテルマ・ホプキンスとジョイス・ヴィンセントを迎えて「トニー・オーランド&ドーン」としてデビューします。

デビューしたはいいものの、幸せの黄色いリボンの前まではヒットがありませんでした。最初はボビー・ヴィントンやジェームズ・ダーレンに話が回っていたようですが、やはりトニーが歌った方が良いだろう、と渋るトニーを説得して歌わすことに成功しました。

トニーは、ボビー・ダーリンだったらどのように歌うのか、というのを意識して歌ったようです。

では和訳です。

I'm comin' home, I've done my time

Now I've got to know what is and isn't mine

If you received my letter telling you I'd soon be free

Then you'll know just what to do

If you still want me

If you still want me

刑期を終えて今帰ってるとこさ。
今僕は知らなくちゃ、君の気持ちを。
もうすぐ帰る、という手紙を受け取ったのなら、
やるべき事は分かってるだろう。
僕を待ってくれてたのなら。


Whoa, tie a yellow ribbon 'round the ole oak tree

It's been three long years

Do ya still want me (still want me)

古い樫の木にリボンを巻いておくれ。
もう3年たったけど、
まだ僕を愛してくれていたかい?

If I don't see a ribbon 'round the ole oak tree

I'll stay on the bus

Forget about us

Put the blame on me

If I don't see a yellow ribbon 'round the ole oak tree

もし樫の木にリボンが巻かれてなかったら、
そのままバスに乗って、
思い出は捨てるさ。
僕が悪いんだから。
もし樫の木に黄色いリボンが巻かれてなかったら。


Bus driver, please look for me

'cause I couldn't bear to see what I might see

I'm really still in prison

And my love, she holds the key

A simple yellow ribbon's what I need to set me free

I wrote and told her please

運転手さん、僕の代わりに見て欲しい。
そんな勇気僕には無いんだ。
僕はまだ罪人なんだ。
僕の恋人が鍵を握ってる。
黄色いリボンが僕を自由にしてくれる。
僕が手紙で頼んだんだ。


Whoa, tie a yellow ribbon 'round the ole oak tree

It's been three long years

Do ya still want me (still want me)

古い樫の木にリボンを巻いておくれ。
もう3年たったけど、
まだ僕を愛してくれていたかい?

If I don't see a ribbon 'round the ole oak tree

I'll stay on the bus

Forget about us

Put the blame on me

If I don't see a yellow ribbon 'round the ole oak tree

もし樫の木にリボンが巻かれてなかったら、
そのままバスに乗って、
思い出は捨てるさ。
僕が悪いんだから。
もし樫の木に黄色いリボンが巻かれてなかったら。


Now the whole damned bus is cheerin'

And I can't believe I see

A hundred yellow ribbons 'round the ole oak tree

そしてバス全体が喜びに包まれていた。
僕は信じられなかった。
たくさんの黄色いリボンが古い樫の木に巻かれていたんだ。


I'm comin' home, mmm, mmm


今帰るよ。

こんな感じです。

出所した男が、帰りを待っているなら樫の木に黄色いリボンを巻いてほしい、と家路につくバスの中で祈っていたらたくさんの黄色いリボンが巻かれていた、という幸せの歌です。

この歌をキッカケに山田洋次監督の映画作品「幸せの黄色いハンカチ」が作られました。

なんとも今の季節にぴったりの歌ではないでしょうか。

久々に長話になりましたのでこの辺でお時間でございます。土曜日は仕事になったので次は日曜日の更新です。

ではまた。

2016年4月28日木曜日

Freddie King - Hideaway

こんばんは。古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、またまたカラオケに行った名久井翔太です。

午前中に用事を済ませて、時間が余ったのでカラオケに行きました。

今回、初めて自分の声を録音しました。後から聴いてみたら、やっぱり自分の声はイマイチだなと思いました。

機会があればYouTubeにアップしたいと思います。

では今日の洋楽です。歌詞のないインストものです。

今日の洋楽

今日はフレディ・キングでハイドアウェイという曲です。


ブルースギタリストの中でも「キング御三家」と呼ばれるうちの一人です。

1934年9月3日、テキサス州ギルマー生まれです。

シカゴに移住して、マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフの演奏に影響を受けて自身もギタリストになります。

フレディは歌も歌いますが、このハイドアウェイは全部インストです。歌詞は全くありません。

そして、フレディに関していえば、この人は指弾き派のギタリストです。

まだフレディの曲はハイドアウェイしか聴いていませんが、妙に音が柔らかいのも指弾きであるが故なのかもしれません。

1976年に心臓発作でこの世を去っています。まだ42歳という若さです。

今日はこの辺でお時間でございます。ネタが決まれば金曜日更新です。

ではまた。

2016年4月27日水曜日

Bread - If

こんばんは。古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、あと2週間で23になる名久井翔太です。どうぞよろしく。

バート・バカラックやスティーブ・ウィンウッドと同じ誕生日だというのは何度かネタにしています。その方々と同じ誕生日というのは嬉しいですね。

では後半の洋楽和訳コーナーです。

今日の洋楽

今日は、ブレッドというソフトロックのバントでイフという曲です。


ブレッドはロサンゼルスでスタジオミュージシャンやソングライター、アレンジャーとして多岐に渡って音楽に関わっていたデヴィッド・ゲイツ (David Gates)ジェームズ・グリフィン (James Griffin)ロブ・ロイヤー (Robb Royer)の3人で結成されたバンドです。3人ともマルチプレイヤーという実力派のバンド。

1969年に、現在はワーナー・ミュージックの傘下になっているエレクトラというレーベルからデビューします。

このイフという曲は1974年のヒット曲です。特徴的なのがエレキギターの「ワウワウ」という音です。

エレキギターでワウワウといえば、ワウペダルを思い浮かべる人も多いでしょう。でも、この曲で出てるワウワウという音は、フェンダー・テレキャスターをモーグ・シンセサイザーという音声合成を行う機械に繋いで出しています。

(因みにワウペダルは、車のアクセルのように踏んでワウワウという音を出すギターのエフェクターの一種です。)

ストリングスやアコースティックギターの音だけだとありきたりな面がありますが、このワウワウという音が加わって幻想的に聴こえます。

では和訳です。

If a picture paints a thousand words
Then why can't I paint you?
The words will never show 
The you I've come to know

もし写真が千の言葉を描くとしたら、
どうして君を描けないんだろう。
言葉は僕が知った君まで
表すことは出来ない。

If a face could launch a thousand ships
Then where am I to go?
There's no one home but you
You're all that's left me too

もし顔が千の船を送り出せるのなら、
僕はどこへ行けばいいのだろう。
僕には君一人だけ、
僕に残された全てなんだ。

And when my love for life is running dry
You come and pour yourself on me

僕の人生への愛が消えかける時、
君は僕の所へ来て、自分を輝かせていたね。

If a man could be two places at one time
I'd be with you
Tomorrow and today
Beside you all the way

もし男が二つの場所を選ぶ事が出来るのなら、君の所にいるだろう。
今日も明日も、
君と共にいるよ。

If the world should stop revolving
Spinning slowly down to die
I'd spend the end with you
And when the world was through

もし地球が回らなくなり破滅を迎えるなら、
君と終わりを迎えたい。
そして世界が終わるなら、

Then one by one the stars would all go out
Then you and I would simply fly away

少しずつ、夜空の星は見えなくなり、
そして君と僕はあっさりと消えていくだろう。

こんな感じです。

絶望の淵から助けられた男が、もし世界の終わりを迎えたとしても最期は君といたい、という歌です。

さて、ここからはちょっと予告。

後何回かは数えてないですが、もうちょっとで300記事達成でございます。何をやるかは追々決めていきます。しかし早いですね。約1年で200記事書いちゃうなんて。

今日はこの辺で。木曜日・金曜日と休みです。

ではまた。

2016年4月24日日曜日

Manfred Mann - Pretty flamingo

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、明日からの仕事のために体力を温存していた名久井翔太です。どうぞよろしく。

ネタも無いので洋楽和訳コーナーです。

今日の洋楽

今日はマンフレッド・マンでプリティー・フラミンゴという曲です。


これもマンフレッド・マンの代表曲のひとつです。この歌にはクリームのベーシスト、ジャック・ブルースが参加しています。

では和訳です。

On our block all of the guys call her flamingo
Cause her hair glows like the sun
And her eyes can light the sky

僕らの住む所、男は彼女をフラミンゴって呼ぶのさ。
髪は陽射しのように輝き、
瞳は空を明るく染める。

When she walks she moves so fine like a flamingo
Crimson dress that clings so tight
She's out of reach and out of sight

彼女が歩けばフラミンゴのように美しい。
赤いドレスが彼女にピッタリ。
彼女はまさに高嶺の花なのさ。

When she walks by she brightens up the neighborhood
Oh every guy would make her his if he just could
If she just would

彼女が歩けば、お隣さんも明るくさせる。
男共は自分のものにしたがるのさ、
出来るものなら、
彼女がその気になれば。

Some sweet day I'll make her mine pretty flamingo
Then every guy will envy me
Cause paradise is where I'll be

いつかものにしてみせるさ、可愛いフラミンゴを。
他の男は僕に嫉妬するだろうね。
極楽が僕のいる所さ。

When she walks by she brightens up the neighborhood
Oh every guy would make her his if he just could
If she just would

彼女が歩けば、お隣さんも明るくさせる。
男共は自分のものにしたがるのさ、
出来るものなら、
彼女がその気になれば。

Some sweet day I'll make her mine pretty flamingo
Then every guy will envy me
Cause paradise is where I'll be

いつかものにしてみせるさ、可愛いフラミンゴを。
他の男は僕に嫉妬するだろうね。
極楽が僕のいる所さ。

こんな感じです。

街で人気のあの娘をモノにできて幸せな男の歌です。

あっさりとお時間が来たようです。次は水曜日の更新です。

ではまた。