こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。
今日は秋葉原のブックオフでチェイスのファースト・アルバムを見つけました。チェイスで『追跡』というタイトルです。
チェイスは米国三大ブラス・ロックバンドのひとつです。ひとつはシカゴ、ひとつはブラッド・スウェット&ティアーズ (略称BST)、そしてチェイスです。
ブラス・ロックはその名の通り、吹奏楽とロックが合わさった音楽です。吹奏楽というよりは、ロックンロール誕生以前のジャズ等のビッグバンドとロックの組み合わせですね。
ブラスセクションのスピード感、即興演奏をロックと融合させた音楽ですね。
チェイスはリーダーのビル・チェイスを中心とするバンドです。メンバーは以下の通り。
•ビル・チェイス (Bill Chase, TP)
•テッド・ピアースフィールド (Ted Piercefield, TP, V)
•アラン・ウェア (Alan Ware, TP)
•ジェリー・ヴァン・ブレア(Jerry Van Blair, TP, V)
•フィル・ポーター (Phil Porter, K)
•デニス・ジョンソン (Dennis Johnson, B)
•エンジェル・サウス (Angel South, G)
•ジェイ・バリッド (Jay Burrid, D)
•テリー・リチャーズ (Terry Richards, V)
一応説明ですが、TPはトランペット、Bはベース、Gはギター、Kはキーボード、Dはドラムス、Vはボーカルです。
ご覧の通り、トランペットが4人もいるバンドです。
リーダーのビル・チェイスは1934年生で、プロデビューは13歳と早く、スタン・ケントンやウディ・ハーマンのオーケストラで活動をしています。
いくつかのオーケストラ、バンドを経てビル・チェイスは前述した腕利きのメンバーを集め、1971年にデビューします。そしてアルバム『追跡』が全米で22位。日本でもシングルGet it on (邦題 : 黒い炎)が売れ、和田アキ子もレパートリーにしています。
1971年度のグラミー賞新人アーティスト部門にノミネート(ビル・チェイスは36,7歳でキャリアも20年以上あるのに新人て…)され、注目を浴びましたが、メンバーが続々と、家族との時間を大切にしたい、という理由で脱退、一旦チェイスは解散します。
1974年に再びメンバーを集め、以前のようにツアーにアルバムに、と活動しますが、その最中の1974年8月9日、リーダーのビル・チェイスと、新たにチェイスに入ったウォルター・クラーク、ウォーリー・ヤーン、ジョン・エンマ、以上4人のメンバーを乗せた飛行機が豪雨のため視界不良を起こし、墜落。パイロット2人含めた計6人が死亡しました。これによりチェイスは解散します。
なお、デニス・ジョンソンと、新たに入ったジム・ピータリック、ゲイリー・スミスは後にサヴァイヴァーを結成します。Eye of a tiger、Burning Heartで有名なバンドです。
さて、アルバム『追跡』の感想ですが、トータルで約35分ですが、それほど時間が経ったようには感じませんでした。最後の組曲: 炎の流れは14分でしたが、これもあっという間でした。チェイスだけに音が何かに向かって早く追跡してる、といった感じですかね。とにかくスピーディーです。
皆さんも見つけたら是非聞いてみてください。
では後半の洋楽和訳のコーナーです。
今日の洋楽
今日はベン・E・キングでザ・ビギニング・オブ・タイムです。
ベンの「アイ・フー・ハヴ・ナッシング」のB面です。A面は迫力がありますが、B面では打って変わって穏やかな感じです。
では和訳です。
The beginning, the beginning of time
大昔から。
Rivers keep rolling
They run to the sea
Since the beginning of time
川は流れる、
海へと流れる、
大昔からそうだった。
The birds that keep on a-flying
Where no man can be
Since the beginning of time
鳥は飛び続ける、
人間がいない所まで、
大昔からそうだった。
Oh, my darling, let me tell you now
Long ago and far away
With just a hand full of faith
In seven days, in seven nights
He built the world that we live in today
ダーリン、言わせて欲しい、
大昔、遠く離れた所から、
手にいっぱいの信念を持って、
7日、7つの夜で、
彼は僕らが住む世界を作ったんだ。
And so it was written
You were made for me
Since the beginning... of time
そしてこう書かれている、
「君は僕のために生まれた」
大昔からそう言われていたんだ。
And I just wonder do I have time enough to say
I just want to say that I
I thank the heaven above for making me
My destiny, my love
君に全部言う時間があるか分からない。
僕が言いたいのは、
天に感謝してるって事さ、
僕を、僕の運命を、僕の愛を作ってくれたことを。
Hmmm and you're mine
Baby, you're mine
I wonder have I told you you're mine
Baby, I said you're mine
Let me tell you
Ah said since the beginning of time
ベイビー、君は僕のもの、
僕のものって言ったっけ。
君は僕の物なんだ、
言わせてくれ、
大昔からそう言われていたんだ。
こんな感じです。
2人の運命を歌った歌です。
今日はこの辺でお時間です。
ではまた。