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2017年3月19日日曜日

Chuck Berry - Jaguar and Thunderbird

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

昨日、3月18日、アメリカのロックの「生きる伝説」が、とうとう「伝説」になってしまいました。

チャック・ベリーこと、チャールズ・エドワード・アンダーソン・ベリーが3月18日、ミズーリ州セントルイスの自宅で倒れ、亡くなりました。90歳という高齢でした。死因は明らかにはなっていませんが、自宅から「チャック・ベリーが倒れた」と通報があり、駆けつけた救急隊員が救命措置を施しましたが、治療の甲斐なく、生ける伝説は天国へと旅立ちました。

最近まで90歳という高齢に関わらずステージに立っていましたが、やはり体力が持たずにステージを途中で降りる、という事もありました。

チャック・ベリーはロックンロールが流行りだした1955年にシングル「メイベリーン」でデビューして以来、「ロール・オーバー・ベートーベン」、「ロックンロール・ミュージック」、そして何より、「ジョニーB・グッド」という、後世のミュージシャンに受け継がれる曲、また曲中で披露している特徴的なリフを残しています。

また、ジョン・レノンは「ロックンロールにもう一つ名前をつけるとすれば、それはチャック・ベリーだ」という発言を残した事から、たくさんのミュージシャンに愛された方でもあります。

このブログでもチャック・ベリーの曲はたくさん紹介してきました。また、去年の10月にチャックが90歳を迎えた、という事、そして新譜を2017年、つまり今年に出すと発表した、事も書きました。

どんな形で発表されるか、そしてそのアルバムがどこまで完成していたのかは分からないですが、いずれにしても、アルバム作成の途中で帰らぬ人となってしまった事は、ファンの私としても大変無念に思います。

今までありがとうございました。ご冥福をお祈りします。

では、追悼の意を込めて、洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はチャック・ベリーで、ジャガー・アンド・サンダーバードです。




チャック・ベリー本人の作曲です。1960年のシングルで、残念ながら109位と振るいませんでしたが、チャック・ベリー得意のマシンガン歌唱です。私がチャックを好きになったのは「メイベリーン」が早口で畳み掛けるように歌っていたからです。

どんな歌なのか和訳をご覧いただきましょう。

Slow down, little Jaguar

Keep cool, little Thunderbird Ford


速度落とせよ、リトル・ジャガー。

クールに行けよ、リトル・サンダーバード・フォード。


Ten miles stretch on an Indiana road

T'was a sky blue Jaguar and a Thunderbird Ford

Jaguar setting on ninety nine

Tryin' to beat the Bird to the county line


インディアナの10マイル直線道路で、

スカイブルーのジャガーとサンダーバード・フォードがいた。

ジャガーは99キロ出して、

郡境でサンダーバードを追い抜こうとしていた。


Just a half-a-mile from Newtonville

There had a speed sign sitting at the top of the hill

It said : "35 miles, and stay in line"

But the Jaguar and Thunderbird never read the sign


ニュートンビルから半マイル、

丘の上に標識があった。

「ここから35マイル追い抜き禁止」

ジャガーとサンダーバードは標識を無視した。


Slow down, little Jaguar

Keep cool, little Thunderbird Ford


速度落とせよ、リトル・ジャガー。

クールに行けよ、リトル・サンダーバード・フォード。


Ludenville was a real small town

Had a hundred and two

And nine acres of ground

Some stool pigeon put the sheriff wise

Told him "Park down in Newtonville

And catch 'em guys"


ルーデンビルは小さい町。

111マイルエーカーの土地がある。

囮が警官に垂れ込んだ、

「ニュートンビルで待ち構えて、奴らを逮捕しろ」


Sheriff laid down, half hid in the weeds

Parked for eight days, didn't nobody speed

All of a sudden, dust rose on the road

Said "Here come the Jaguar and Thunderbird Ford"


雑草の中に隠れて警官は張り込んだ、

8日間そこにいて、誰もスピード違反はしなかった。

しかし突然、煙が道路に上がった、

「ジャガーとサンダーバード・フォードが来た!


Slow down, little Jaguar

Keep cool, little Thunderbird Ford


速度落とせよ、リトル・ジャガー。

クールに行けよ、リトル・サンダーバード・フォード。


Sheriff doubled clutched second, put it in third

Took right after the Jaguar and Thunderbird

He knew he'd get a bonus and a big fat fine

If he caught 'em 'fore they crossed that county line


警官はダブルクラッチを2回して、ギアを3にした。

ジャガーとサンダーバードの後をついていった。

ボーナスとすごい賞与を貰えるのを知っていた、

郡境を越える前に奴らを捕まえたなら。


Sheriff never drove his car a hundred and flat

But if he aimed to get 'em

He'd have to do more than that

Crest of the hill, he's about a mile behind

There wasn't but two more miles to the county line


警官は100キロ以上はスピードを出さなかった。

しかし奴らを捕まえようとすると、

他にもやる事が出て来た。

丘のてっぺん、警官は1マイル後ろにいた、

郡境まであと2マイルの所。


Slow down, little Jaguar

Keep cool, little Thunderbird Ford


速度落とせよ、リトル・ジャガー。

クールに行けよ、リトル・サンダーバード・フォード。


Old Sheiff was countin' on the downward grade

With the tall wind pushin', he had it made

Thunderbird saw the Jaguar gainin' speed

And waved "Goodbye, Jaguar" and pulled in the lead


下り坂で警官は期待していた。

追い風を受けながら、警官はついにやった。

サンダーバードがジャガーのスピードを上げるのを見た、

そして「じゃあなジャガー」と手を振り、先を越した。


Jaguar said "You ain't won the race yet"

And pulled back around the Bird like a sabre jet

Sheriff's front bumper was a yard behind

When the T-Bird, Jaguar crossed the line


ジャガー「まだ勝負は終わってないぞ」

サーベルジェットみたいにサンダーバードを追った。

警官のフロントバンパーは1ヤード後ろにあった、

サンダーバードとジャガーが郡境を越えた時に。


Slow down little Jaguar,

Keep cool little Thunderbird Ford


速度落とせよ、リトル・ジャガー。

クールに行けよ、リトル・サンダーバード・フォード。


こんな感じです。

ジャガーとサンダーバードの競争劇です。

全編チャック・ベリー追悼でお送りしてきました音楽文章ラジオ、この辺でお時間です。

チャック・ベリーさん、私があなたのファンになってから実に9年という月日が経ちましたが、あなたの歌で受けた衝撃は忘れもしません。天国へ行っても、伝説のロッカーとして、あなたの名は語り継がれます。また天国でもロッカーとして暴れてほしいと思います。ありがとうございました。

洋楽和訳のリクエスト募集中です。ある方は、コメント欄に記入よろしくお願いします。甚だ失礼ではありますが、追悼コメントも受け付けております。

ではまた。

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