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2018年10月13日土曜日

The Rolling Stones - Lady Jane

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、もっと肌寒みぃでございまさぁねぇ〜、な名久井翔太です。どうぞよろしく。

すっかり秋めいてきました。夜・朝が涼しいを通り過ぎて寒いです。

皆様も体調管理には気をつけて下さい。私も毎日ブログが更新できる程度には体調は持っていくつもりです。

では、洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はザ・ローリング・ストーンズでレディー・ジェーンです。




ミック・ジャガー、キース・リチャーズ作曲です。1966年のシングル「マザーズ・リトル・ヘルパー」両A面でリリースされました。ビルボードホット100で24位を記録しています。また同じ年に発売されたアルバム『アフターマス』収録曲です。

ストーンズのバラード曲の1つです。ブライアン・ジョーンズがアパラチアン・ダルシマーを演奏しています。

元々はブライアン・ジョーンズがリーダーだったんですが、この頃からストーンズ内のパワーバランスが崩れ始め、何とか功績を残そうとして、ブライアンはシタールなど色々な楽器を演奏するようになります。1969年に早死にしていなければ、ストーンズを離れても十分活躍出来ていたのに、と思う今日この頃です。

ハッキリと言ってはいない物の、当時ミック・ジャガーと付き合っていたマリアンヌ・フェイスフルと別れよう、という意味もあります。マリアンヌも可愛らしいルックスを持ちながら、ドラッグに溺れてイメージが変わり過ぎてしまう悲しい女性です。

では和訳です。

My sweet Lady Jane

When I see you again

Your servant am I

And will humbly remain

Just heed this plea my love

On bended knees my love

I pledge myself to Lady Jane


私の愛するジェーン夫人。

また貴女とお会いする時は、

私は貴女の従者、

そして謹んで拝命いたす。

この願いを聞いていただきたい、私の恋人。

私は跪く、私の恋人。

私自身をあなたに捧ぐ、ジェーン夫人。


My dear Lady Anne

I've done what I can

I must take my leave

For promised I am

This play is run my love

Your time has come my love

I've pledged my troth to Lady Jane


私の愛したアン夫人。

できるだけの事は全てした。

もう別れの時が来た、

もう婚約をしたから。

この芝居は終わりだ、私の恋人。

終わりの時が来たんだ、私の恋人。

私はジェーン夫人に忠節を尽くす。


Oh my sweet Marie

I wait at your ease

The sands have run out

For your lady and me

Wedlock is nigh my love

Her station's right my love

Life is secure with Lady Jane


私の愛したマリー、

君が落ち着くのを待っている。

砂時計の砂はもう切れた、

君と私の為に。

結婚の日はもう近い、私の恋人。

彼女の地位は高い、私の恋人。

ジェーン夫人と居れば生活は安定する。


こんな感じです。


今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。


ではまた。

1 件のコメント:

  1.  昔の室内音楽の雰囲気を出すために,ローリンスストーンズの6人目のメンバーと言われるジャック・ニッチェがハープシコード,ブライアン・ジョーンズがダルシマー,チャーリーはドラムを止めクシロフォーン,キースのギターもアクースティックにするという凝りようの曲で,バロック・ロックとか言われます.
     バロック・ロックという名称に相応しく,ミックがヘンリー8世になりきって,3人の女に語りかけます.内容理解はイギリス人なら常識でしょうが,日本人だと多少知識がいります.最初のLady Janeはヘンリー8世の3番目の妻のジェーン・シーモア(Jane Seymour),2人目のLady Anneは2番目の妻のアン・ブーリン(Anne Boleyn),3人目のMarieは最初の妻のキャサリン・オブ・アラゴン(Catherine of Aragon)との間にできた娘 メアリー(後の メアリー1世,通称 Bloody Mary.彼女だけフランス語でMarieと呼ばれているのは,恐らく母親が英語を話せなく,ヘンリー8世とキャサリンはフランス語で話していたため).ヘンリー8世は,最初の妻との間の子はメアリーを除いてみな小さいうちに死んでしまいます.キャサリンがもう子供ができない年齢に達したとき,跡継ぎの男の子が欲しいヘンリーは,離婚して新しい妻を迎えようとしますが,当時はまだイギリスはカトリック教会の枠内ですので,法王庁が反対して離婚できません.そこで,イギリスはカトリックを止め,イギリス国教会というなかなかご都合主義のプロテスタントに宗旨替えします.2番目の王妃アンは,女の子を産み(後のエリザベス1世),不倫の疑い(濡れ衣か?)をかけられて,離婚の後,死刑になります.3番目の王妃ジェーンは目出度く男の子を産みますが,産後すぐに死んでしまいます.現在のイギリスの大枠を決めた大事件です.
     Ladyは,高貴な生まれの女なら,未婚でも既婚でもつけられる敬称で,婚約中の Lady Janeを「ジェーン夫人」とするのは無理があります.かろうじて「ジェーン嬢」でしょうが,これもしっくり来ません.
     第3節は,娘に向かって「お前が新しい母親を迎える用意ができるまで待つ.Lady Janeはしっかりした人だから安心してよい]と言っているわけで,I wait at your easeは,「お前の気に入るように待つ],your ladyはここでは your motherの意味で,Catherine of Aragonのことです.my loveは「私の恋人」ですが,呼び掛けに使われるときは,「親しみをこめた you」で恋人であるかどうかは分かりません.この曲の最初の節のmy loveはLady Janeに対して使われていますので「私の恋人」でもいいのでしょうが,次の節では現在の妻で,離婚の準備中のLady Anneですからあまり恋人らしくなくなっています.3節目は,娘に対しての my loveですので,さすがに「私の恋人」はダメですね.普通[お前]とか訳すようですが,無理に訳すなら「可愛い娘よ」とかするのもアリですか.
     ヘンリー8世の関係者でこの曲に出てこないのが,当時,2歳程度のエリザベス(後の女王).まだ話せなかったのもあるかも知れませんが,この曲が作られた頃は,同名の2世が女王だったので,出すわけに行かなかったのかも知れません.しかも,母親は不倫の罪で死刑ですから,登場させたくない気持ちも分かります.

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