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2023年1月19日木曜日

George Jones - Bartender’s blues

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、いよいよ次回で2度目のミレニアムを迎える名久井翔太です。どうぞよろしく。

次回の更新は1/22(日)ですが、いよいよ物好きが集まるこのブログの更新が2000回という大台に乗ります。

大体何をやるかは固まってきました。でも何をやるのかは当日のお楽しみに、という事にしてください。

今日の洋楽和訳はリクエストです。

今日の洋楽

今日は以前にリクエスト頂きました、ジョージ・ジョーンズでバーテンダー・ブルースです。このブログで紹介するのは初めてです。




ジェームス・テイラー作曲です。1977年のシングルで、カントリーチャートで6位を記録しました。また1978年のアルバム『バーテンダー・ブルース』収録曲です。

ジョージ・ジョーンズこと、ジョージ・グレン・ジョーンズ(George Glenn Jones)は1931年9月12日、テキサス州サラトガ出身のカントリーシンガーです。50年以上という長いキャリアを持っており、生涯で放ったヒット曲はソロ・デュエット含めて150曲とも言われており、そのうちナンバーワンヒットは14曲もあります。

子供の頃に両親からラジオを与えられ、そこでカントリーミュージックに触れて、そこからギターを覚えて、ストリートミュージシャンとして活動を始めます。16歳の頃に家を出て、ラジオ局で演奏する仕事を見つけに行きます。そこでハンク・ウィリアムスと出会い、衝撃を受けます。

まだ10代の頃に最初の結婚をしますが、そこから1年と経たずに朝鮮戦争の為に徴兵され、離婚します。戦争が始まっても何故か戦地には送られず、カリフォルニアの基地の周辺のバーで歌います。軍隊を離れた後にミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせます。

1954年に2度目の結婚をした後に、スターデイ・レコードから自作の「ノー・マネー・イン・ディス・ディール」でデビューします。1955年には自身初のヒット曲「ホワイ・ベイビー・ホワイ」を出します。1959年には自身初のナンバーワンヒット曲、「ホワイト・ライトニング」を出します。「ホワイト・ライトニング」の作者はジャイルス・ペリー・リチャードソンですが、「シャンティリー・レース」でお馴染みザ・ビッグ・ボッパーの本名です。

その後は「何でもないのに」「ウォーク・スルー・ディス・ワールド・ウィズ・ミー」「ザ・グランド・ツアー」など数々のヒット曲を世に放ち、人気歌手の仲間入りを果たしますが、その裏側は酒癖や女癖、暴力沙汰などで、度々ツアーを中止するなど問題があるアーティストでもあります。

飲酒問題は特にひどく、車を運転して酒屋に行く事を恐れて鍵を隠したは良いものの、芝刈り機を発見して、その芝刈り機で遠くの酒場に2時間近くかけて行った、というエピソードがあります。この話は有名で、ハンク・ウィリアムスJr. やヴィンス・ギルのPVでネタにされる程でした。

1999年には飲酒運転の上に事故を起こしてしまい、有罪判決が出ます。この事がきっかけで、ジョージは酒を絶つ決意をします。

2012年に上気道感染症にかかり、入退院を繰り返します。翌2013年11月22日に最後のコンサートを行う事を発表しましたが、熱と不規則な血圧の為また入院し、2013年4月26日に81歳でこの世を去ります。生前最後のコンサートは、約3週間前の4月6日でした。

今回のバーテンダー・ブルースは、初めジェームス・テイラーが発表しましたが、間もなくジョージ・ジョーンズがカバーしてヒットさせました。

バーテンダーなんてシケた仕事だけど、生活の為には仕方ないのさ、とどこか諦めというか、達観したような心情を歌っています。

では和訳です。

Well, I'm just a bartender

And I don't like my work

But I don't mind the money at all

I've seen lots of sad faces

And lots of bad cases

Of folks with their backs to the wall


俺はしがないバーテンダー、

こんな仕事は好きじゃない、

金なんて気にした事はない。

悲しげな奴らの顔を沢山見たし、

後戻りできない状況に立たされた、

そんな奴らも見てきた。


But I need four walls around me, to hold my life

To keep me from going astray

And a honky tonk angel, to hold me tight

To keep me from slipping away


でも俺には生活の為にこの4つの壁が必要なんだ、

俺自身が堕落しないように。

こんな安酒場にも天使が必要なんだ、

俺を抱きしめもらう為に、俺が失敗しない為に。


I can light up your smokes

I can laugh at your jokes

I can watch you fall down on your knees

I can close down this bar

I can gas up my car

And I can pack up and mail in my keys


煙草に火を点けてやるよ、

あんたのジョークも笑ってやるよ、

あんたが跪くのを見たって良い。

このバーを閉めて、

車にガソリン突っ込んで、

店の鍵を荷物に入れて送っても良い。


But I need four walls around me, to hold my life

To keep me from going astray

And a honky tonk angel, to hold me tight

To keep me from slipping away


でも俺には生活の為にこの4つの壁が必要なんだ、

俺自身が堕落しないように。

こんな安酒場にも天使が必要なんだ、

俺を抱きしめもらう為に、俺が失敗しない為に。


Now the smoke fills the air

In this honky tonk bar

And I'm thinkin' bout where I'd rather be

But I burned all my bridges

And I sunk all my ships

And I'm stranded at the edge of the sea


煙が立ち込める、

この安酒場に。

何処に身を置こうか考えてる。

でも俺は橋を全部焼き払ってしまったし、

船も全部沈めてしまった。

俺は海の境界で立ち往生しちまった。


I still need four walls around me, to hold my life

To keep me from going astray

And a honky tonk angel, to hold me tight

To keep me from slipping away...


俺には生活の為にこの4つの壁がまだ必要なんだ、

俺自身が堕落しないように。

こんな安酒場にも天使が必要なんだ、

俺を抱きしめもらう為に、俺が失敗しない為に。


こんな感じです。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。

ではまた。

1 件のコメント:

  1. リクエストした者です。
    早速取り上げて頂いて、有難うございました。また他にも気になる曲があったらリクエストいたします。

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