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2017年2月11日土曜日

Lloyd Price - Stagger Lee

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はロイド・プライスでスタッガー・リーです。




作者は不詳です。これまでに数々のミュージシャンが歌ってきていますが、ロイド・プライスのバージョンはロイド・プライスとハロルド・ローガンでアレンジをしています。

さて、スタッガー・リーは、前にも紹介した「ジョン・ハーディー」同様、実際の事件が元となって、歌になっています。

スタッガー・リーは本名をリー・シェルトン (Lee Shelton)というセントルイスに住んでいた、黒人のピンプです。ピンプとは、売春婦やドラッグなどの取引で生活してる人の事ですから、良い商売してないですね。そしてこれから載せる歌詞にも出てくるビリーとは、ウィリアム・リオンズ (William Lyons) の事で、同業者の友人です。

1895年のクリスマス、大量の酒を飲んでいた両者がいつの間にか口論を始めます。まずリオンズがシェルトンの帽子を取り上げ、「返せ」と言っても拒否されたシェルトンが空かさず銃を持ち、リオンズの腹部を打ちます。新聞記事になったそうで、その時点ではまだリオンズは生きていましたが、結局その傷が元で死んでしまいます。

リオンズを殺したシェルトンは殺人罪に問われ、刑務所に入ります。1909年に放免されますが、1911年にまた殺人と盗みの罪でまた刑務所に入り、1912年に結核にかかり亡くなります。

シェルトンが実際に取った行動は許されない事ですが、事件当時のアメリカは断然白人優位の社会でした。黒人は迫害されていますし、立場が下でしたから、黒人が白人を殺すなど、当時のアメリカにとってはあり得ない事なんです。ですから、シェルトンの、黒人が白人を殺すという行動は、反道徳的・クールなアウトロー・黒人男性の強さ、それらを証明した事につながります。だから後に歌が作られたんですね。

ちなみに最初はプロフェッサー・チャーリー・リーがトランペットのインストゥルメンタルを発表し、その後にジョン・ロマックスが歌詞をつけ、ミシシッピ・ジョン・ハート、マ・レイニー、フランク・ハッチソン、などが取り上げています。

では和訳です。

The night was clear and the moon was yellow

And the leaves came tumbling down


雲ひとつない夜、月も明るい時、

葉っぱがヒラヒラと落ちていく。


I was standing on the corner

When I heard my bulldog bark

He was barkin' at the two men

Who were gamblin' in the dark


俺は街角に立って、

ブルドッグの吠えるのを聴いた。

そいつは二人の男に吠えていた、

暗闇でギャンブルしていた。


It was Stagger Lee and Billy

Two men who gambled late

Stagger Lee threw seven

Billy swore that he threw eight


それはスタッガー・リーとビリー、

夜遅くにギャンブルしていた。

スタッガー・リーは7を出し、

ビリーは「8を出す」と宣言した。


Stagger Lee told Billy

I can't let you go with that

You have won all my money

And my brand new Stetson hat


スタッガー・リーはビリーに言った、

「そんなの許さねえ」と。

「俺の金巻き上げて、

新しいステットソンの帽子まで取りやがった」


Stagger Lee went home

And he got his forty-four

Said, I'm goin' to the barroom

Just to pay that debt I owe

Go Stagger Lee


スタッガー・リーは家に戻り、

44口径を手にした。

「あの酒場に戻って、

蹴りをつけてやる。」


[Instrumental Interlude]


Stagger Lee went to the barroom

And he stood across the barroom door

He said, nobody move

And he pulled his forty-four


スタッガー・リーは酒場に行き、

入口の所に立っていた。

「誰も動くな!」と言い、

44口径を引いた。


Stagger Lee, cried Billy

Oh, please don't take my life

I've three little children

And a very sickly wife


「スタッガー・リー」ビリーが叫んだ。

「俺の命を奪わないでくれ。

子供が3人もいるし、

妻は病気なんだ。」


Stagger Lee shot Billy

Oh, he shot that poor boy so bad

Till the bullet came through Billy

And it broke the bartender's glass


スタッガー・リーはビリーを撃った。

情けもなく哀れな男を打ったんだ。

ビリーを弾丸が貫いて、

バーテンダーのグラスを割ったんだ。


こんな感じです。

余談ですが、スタッガー・リー以外にもこの歌にはタイトルがあり、「スタック・オ・リー」、「スタコリー」などがあります。英語で書くと「Stack O' Lee」、「Stack-o-Lee」、「Stagolee」などです。いずれも大元は同じ歌です。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト募集中です。ある方はコメント欄に記入よろしくお願いします。

ではまた。

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