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2019年10月11日金曜日

The Mamas and The Papas - California dreamin’

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はママス&パパスでお馴染み「夢のカリフォルニア」です。


ジョンとミシェルのフィリップス夫妻作曲です。1965年のシングルで、ホット100で4位を記録しました。

1963年冬、ママス&パパスを結成する前、別のグループにいたフィリップス夫妻は、ニューヨークに住んでいました。ミシェルは友達から「寒いからコートを持って行った方が良い」という忠告を聞かずに行ったので、寒さに凍える日々を過ごしていました。

そんなある日の夜、ジョンが突然この歌の歌詞を夢で思いつき、ミシェルを起こして一緒に作り上げました。

最初は、当時の居候先でもあった「明日なき世界」でお馴染みバリー・マクガイアの歌としてレコーディングしましたが、プロデューサーが、「やはりこの歌は君たちの歌だ」といい、急遽ママス&パパスもレコーディングして、シングル発売になりました。

この歌の最初の一節「All the leaves are brown」でドスの効いた低い声で歌っているのがバリー・マクガイアです。

ママス&パパスのバージョンは、イントロにP. F. スローンのギター、そして間奏にバド・シャンクのフルートが追加されました。どちらも、寒い冬をイメージさせる演奏で、この歌の雰囲気をより深めています。

では和訳です。

All the leaves are brown and the sky is gray.

I've been for a walk on a winter's day.

I'd be safe and warm if I was in L.A.;

California dreamin' on such a winter's day.


葉っぱは茶色く、空は曇ってる。

僕はこの冬の日に、歩き続けている。

ロサンゼルスにいたら、僕は安全に暖かい所に居たはず。

こんな冬の日に、カリフォルニアを夢みるんだ。


Stopped in to a church I passed along the way.

Well I got down on my knees and I pretend to pray.

You know the preacher liked the cold;

He knows I'm gonna stay.

California dreamin' on such a winter's day.


道沿いを歩いていたら、教会に立ち寄った。

そして僕は跪き、祈るフリをしていた。

そうさ、説教者は寒いのが好きなのさ、僕が留まる事を知っておきながらそうするんだ。

こんな冬の日に、カリフォルニアを夢みるんだ。


All the leaves are brown and the sky is gray.

I've been for a walk on a winter's day.

If I didn't tell her I could leave today;

California dreamin' on such a winter's day.

California dreamin' on such a winter's day.

California dreamin' on such a winter's day.


葉っぱは茶色く、空は曇ってる。

僕はこの冬の日に、歩き続けている。

彼女に言っていなかったら、僕は今日出て行けるのに。

こんな冬の日に、カリフォルニアを夢みるんだ。

こんな冬の日に、カリフォルニアを夢みるんだ。

こんな冬の日に、カリフォルニアを夢みるんだ。


こんな感じです。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。

ではまた。

1 件のコメント:

  1. この曲にはよく分からないことが2つありましたが,上の2節と3節を読んで,疑問が解けました.ありがとうございました.

    最初は温度のことです.私は20台の頃サンフランシスコに住んでおり,50台でサンディエゴに住んでいましたので,カリフォルニア州の温度はある程度分かっています.そこでカリフォルニア州のどこかからLAに行ったって,大して暖かくなるわけでないので,どういうことかと思っていました.NYにいてLAに行きたいという話だったわけですね.それならよく分かります.冬にNYにいたこともあります.

    もう一つはタイトルです.California dreamとかCalifornia dreamingは,普通は経済的成功の夢なのですが,ここの2節,3節から分かるのは,暖かいところに行きたいという温度限定のささやかな希望を,わざとCalifornia dreamingという大袈裟な言い方で表す冗談だったわけですね.逆に,こんな冗談でも言わないと堪えられないほどの寒さだというのがよく感じられる名タイトルなんでしょうね.

    California dreamingは19世紀なら,カリフォルニアで金が見つかり,カリフォルニアに行けば1日にして大金持ちになれるかも知れないという希望というか妄想というか,そういったものですが,20世紀になるともう金鉱は掘り尽くされていますので,大分しょぼくなって,東部,中西部で食い詰めた連中がカリフォルニアに行けばなんとか暮らせるかもしれないという集団幻想です.たとえば,スタインベックの「怒りの葡萄」では1929年の大恐慌に続く経済不況と,農業の機械化により,農業機械に投資する金がない貧乏農民はますます貧乏になって下手すると農地を手放さざるを得ないような状況に追い込まれ,California Dreamingに取り付かれて大挙してカリフォルニアを目指しますが,着いてみると,現実はまったく違っていたと幻滅が続きます.どこかに楽天地があって欲しいという願望がカリフォルニアを核にして結晶したのがCalifornia dreamingですから,温度限定のCalifornia dreamingもありですね.

    Stopped in to a church I passed along the way.
    Well I got down on my knees and I pretend to pray.
    You know the preacher liked the cold;
    in toは語源的にはinとtoの2語からできていますが,現在は普通はintoと1語で書きます.a churchとそれに続く文の関係は,関係詞が省略された名詞修飾の関係節でしょう.元の文は I passed a church along the way ([散歩の]途中で教会の横を通った)で,「散歩の途中で通りかかった教会に(寒さよけに)立ち寄った」と言うことだと思います.I pretendはI'd pretend,likedはlikesと歌っています.この節は,「散歩の途中でたまたま通りかかった教会に寒さよけのために入り,体裁作りに,ひざまづき,祈る振りをしようとした.(説教師の方もそんなことはとうに承知で),彼が寒さが好きな理由は,寒いと信仰心のない連中まで教会に入ってきて,(かついったん入ると外は寒いので,)しばらく教会にいてくれるから」と,かなり身も蓋もないことを言っているのだと思います.

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