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2020年9月15日火曜日

Bob Dylan - Black diamond bay

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、今日のボブ・ディランのコーナーです。

今日のボブ・ディラン

9月15日(火)



~Now I wish I could write you a melody so plain
That could hold you dear lady from going insane~

~きみのためにとてもわかりやすいメロディを書ければいいのに
そうすれば素敵なきみは正気を保ち続けられる~

「Tombstome blues」より

今日の洋楽

今日はボブ・ディランで「ブラック・ダイアモンド湾」という歌です。

ボブ・ディラン作曲です。1975年のアルバム『欲望』収録曲です。

歌詞が中々の長さを誇る曲で、7番まであります。

ブラック・ダイアモンド湾の側の島での出来事で、ギリシャ人が首吊り自殺を図ったり、兵士と小男が禁断の取引をやったり、賭博室で金が巻き上げられ、ギリシャ人の自殺を目の当たりにした女がパニックになって、フロントはただ傍観しているだけで、てんやわんやになっています。そこで火山が噴火して、溶岩が雪崩れ込んで全てが飲み込まれた…というニュースを家で見ていた男の歌です。

ちなみに歌詞に出てくるクロンカイトとは、ウォルター・クロンカイトというアメリカのジャーナリストの事で、1962年から1981年まで「CBSイブニングニュース」のニュースキャスター兼司会者を務めていました。

今回の歌の単体の動画が全く無いので、アルバムお買い求め、もしくはiTunesでダウンロードして聴いてください。

では和訳です。

Up on the white veranda

She wears a necktie and a Panama hat

Her passport shows a face

From another time and place

She looks nothing like that


白いベランダで、

彼女はネクタイにパナマ帽子の出で立ちをしてた。

パスポートの写真は、

違う時代、違う世界から来たみたい、

何物も似ていないんだ。


And all of the remnants of her recent past

Are scattered in the wild wind

She walks across the marble floor

Where a voice from the gambling room is calling her to come on in


ここ最近の彼女の過去の断片は、

強風に流されてしまった。

大理石の床を歩く、

賭博室から声が聞こえる「こっちに来いよ」と。


She smiles, walks the other way

As the last ship sails and the moon fades away

From Black Diamond Bay.


彼女は笑って、違う方へ歩き出した。

そして最後の船が出て月も消えた、

このブラックダイアモンド湾で。


As the morning light breaks open

The Greek comes down and he asks for a rope

And a pen that will write

"Pardon monsieur" the desk clerk says

Carefully removes his fez

"Am I hearing you right?"


朝日が差し始めると、

ギリシア人がやって来て、縄と書けるペンを要求した。

「すいません、お客様」とフロントが言い、

注意深く彼のトルコ帽を取り、

「ご要望通りでしょうか?」と言う。


And as the yellow fog is lifting

The Greek is quickly heading for the second floor

She passes him on the spiral staircase

Thinking he's the Soviet Ambassador


そして黄色の霧が立ち込めるとら

ギリシャ人は急いで2階へと行く。

彼女は螺旋階段で彼とすれ違い、

彼の事をソビエト大使だと思った。


She starts to speak, but he walks away

As the storm clouds rise and the palm branches sway

On Black Diamond Bay.


話しかけたが、彼は行ってしまった、

そして嵐雲が立ち込め、ヤシの枝が揺れる、

このブラックダイアモンド湾で。


A soldier sits beneath the fan

Doing business with a tiny man

Who sells him a ring

Lightning strikes, the lights blow out

The desk clerk wakes and begins to shout,

"Can you see anything?"


扇風機の下に兵士が1人、

指輪を売っている小さな男と取引をしている。

すると稲妻が光り、電気が消えて、

フロントが目を覚まして狼狽した、

「何か見えますか?


Then the Greek appears on the second floor

In his bare feet with a rope around his neck

While a loser in the gambling room lights up a candle

Says, "Open up another deck."


2階にギリシャ人が現れた、

裸足で、首にロープを巻いて。

賭博室で負けた奴が蝋燭を灯して言った、

「もう一つのデッキを開けろ」


But the dealer says, "Attendez-vous, s'il vous plaît."

As the rain beats down and the cranes fly away

From Black Diamond Bay.


だがディーラーが言う「待って下さい、お願いします。」

そして雨が強く降り、鶴が飛び立った、

このブラックダイアモンド湾から。


The desk clerk heard the woman laugh

As he looked around in the aftermath

And the soldier got tough

He tried to grab the woman's hand

Said, "Here's a ring it cost a grand."

She said, "That ain't enough."


フロントが女の笑い声を聞いた、

嵐の後見回すと、兵士は強気になって、

女の手を握ろうとした。

そして言った、「指輪をやる、1000ドルはするぞ。」

彼女が言う「チンケな指輪ね。」


Then she ran upstairs to pack her bags

While a horse-drawn taxi waited at the curb

She passed the door that the Greek had locked

Where a handwritten sign read "Do Not Disturb"


彼女は階段を駆け上がり、荷物を纏めた、

通りに馬車が待っていた。

彼女はドアを通り過ぎた、ギリシャ人の泊まってる部屋には、

手書きでこう書かれてた、「入室不要」と。


She knocked upon it anyway

As the sun went down and the music did play

On Black Diamond Bay.


しかし彼女はノックをした。

そして日が沈み、音楽が鳴り始めた、

このブラックダイアモンド湾で。


"I've got to talk to someone quick!"

But the Greek said, "Go away," and he kicked the chair to the floor

He hung there from the chandelier

She cried, "Help there's danger near!

Please open up a-the door."


「早く誰かと話したいのよ!」と彼女は言う、

だがギリシャ人は「失せろ」と言い捨て、椅子を床に蹴飛ばし、

シャンデリアから首を吊った。

彼女は泣き叫んだ、「助けて!危険が迫ってるわ!

お願いよ、ドアを開けて‼︎


Then the volcano erupted

And the lava flowed down from the mountain high above

The soldier and the tiny man

Were crouched in the corner thinking of forbidden love


そして火山が噴火して、

溶岩が山を滑り降りて来た、

兵士と小さな男は、

角にしゃがんで、禁断の恋という物を考えていた。


But the desk clerk said, "It happens every day."

As the stars fell down and the fields burned away

On Black Diamond Bay.


フロントは言う「これは日常茶飯事ですよ。」

そして星が消えて大地が燃え盛った、

このブラックダイアモンド湾で。


As the island slowly sank

The loser finally broke the bank

In the gambling room

The dealer said, "It's too late now.

You can take your money, but I don't know how

You'll spend it in the tomb."


大陸がゆっくりと沈み、

負けた奴は最後には胴元から金を巻き上げた、

あの賭博室で。

ディーラーは言う「もう遅いですよ、

お金は持って行って構いませんが、墓の中でどうやって使うんです?


The tiny man bit the soldier's ear

As the floor caved in

And the boiler in the basement blew

While she's out on the balcony where a stranger tells her,

"My darling je vous aime beaucoup."


小さな男は兵士の耳に噛み付いた、

床が陥没し、地下のボイラーは吹っ飛んだ。

彼女がバルコニーに出ると、旅人が彼女に言う、「私のダーリン、貴方の事をたまらなく愛しています。」


She sheds a tear and then begins to pray

As the fire burns on and the smoke drifts away

From Black Diamond Bay.


彼女は涙を流して祈り始めた。

そして炎が燃え上がり、煙が漂う、

このブラックダイアモンド湾で。


I was sitting home alone one night

In LA watching old Cronkite

On the seven o'clock news

It seems there was an earthquake that

Left nothing but a Panama hat

And a pair of Greek shoes


俺はある夜LAの家で椅子に座って、

クロンカイトの7時のニュースを見ていた。

どうやらそこで地震が発生して、

パナマ帽とギリシャ製の靴以外、

何も残っていなかったそうだ。


Didn't seem like much was happening

So I turned it off and went to grab another beer

Seems like every time you turn around

There's another hard-luck story that you're gonna hear


大した事じゃ無かったみたいだ、

だから俺はテレビを消して2杯目のビールを取りに行った。

あんたが振り向く度に、

どこかで別の不運な話を聞く事になるんだろうな。


And there's really nothing anyone can say

And I never did plan to go anyway

To Black Diamond Bay.


誰もこれに関して言える事は無かった。

俺は行こうとも思わなかった、

あのブラックダイアモンド湾になんて。


こんな感じです。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。

ではまた。

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