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2023年2月19日日曜日

The Eagles - Tequila sunrise

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、今日の洋楽和訳のコーナーです。あ、今日もリクエストです。
今日の洋楽

今日は以前にリクエスト頂きました、ザ・イーグルスでテキーラ・サンライズです。




グレン・フライ、ドン・ヘンリー作曲です。1973年のアルバム『デスペラード』収録曲です。

ザ・イーグルスは「テイク・イット・イージー」「ホテル・カリフォルニア」でお馴染みのアメリカを代表するロックバンドの一つです。

メンバーは以下の通りです。

•ドン・ヘンリー (Donald Hugh Henley, d, 1947.7.22-)
•グレン・フライ (Glenn Lewis Frey, g, 1948.11.6-2016.1.18)
•バーニー・レドン (Bernard Matthew Leadon III, g, 1947.7.19-)
•ランディ・マイズナー (Randall Herman Meisner, b, 1946.3.8-)
•ドン・フェルダー (Donald Williams Felder, g, 1947.9.21-)
•ジョー・ウォルシュ (Joseph Fidler Walsh, g, 1947.11.20-)
•ティモシー・B. シュミット (Timothy Bruce Schmit, b, 1947.10.30-)
•ヴィンス・ギル (Vincent Grant Gill, g, 1957.4.12-)
•ディーコン・フライ (Deacon Frey, g, 1993.4.17-)

バーニー・レドンは元フライング・ブリトー・ブラザーズ、ランディ・マイズナーはポコを経てリック・ネルソンのバックを務めています。ティモシー・B. シュミットはランディ・マイズナーの後任としてポコ、そして後にイーグルスのメンバーに、再びランディの後任として加入します。ジョー・ウォルシュは元ジェームズ・ギャングです。そしてディーコン・フライは父グレン・フライ亡き後イーグルスに入り、2022年までメンバーを務めました。

元々はカントリーシンガーのリンダ・ロンシュタットのバックミュージシャンとして寄せ集められ、自分達でバンドを組み1971年にアサイラム・レコードよりイーグルスとして活動を開始します。1972年にシングル「テイク・イット・イージー」がビルボードホット100で12位を記録しました。続くデビュー・アルバム『イーグルス・ファースト』も22位を記録するなど幸先の良いスタートを切ります。

特にファースト・アルバムはカントリー色が強いですが、その理由はバーニー・レドンにありました。テレキャスターでのリードギターの他、バンジョーやスティールギター、マンドリンを演奏している事によります。

1974年のアルバム『オン・ザ・ボーダー』製作中に、元フローでバーニー・レドンと旧知の仲だったドン・フェルダーが加入して、ロック色が強くなりました。1975年のアルバム『呪われた夜』ではディスコロック調の「呪われた夜」を始めとして、フォークロック調の「いつわりの瞳」、ソフトロック調でランディ・マイズナーがボーカルをとる「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」等、音楽性も多彩な物となっていきました。

しかし、この辺りからメンバー間の仲が悪くなり、特に主導権を握っていたドン・ヘンリーグレン・フライの態度にバーニーは業をにやして脱退します。その後任としてジョー・ウォルシュが加入しました。

1976年にはグループ最大にして、音楽史に名を残すアルバム『ホテル・カリフォルニア』を発売します。これが大ヒットして、コンサートツアーを敢行します。が、ドンとグレン両名の高慢な態度とツアーの疲れからストレスが溜まって、ランディ・マイズナーはイーグルスを脱退します。その後任としてティモシー・B. シュミットが加入します。

メンバーも変わって活動を続けていきますが、次第に曲作りのスランプが生まれたり、ドン・フェルダーに当たりが強くなっていき、1980年に活動停止、1982年に一旦イーグルスは解散します。メンバーはそれぞれソロ活動に入ります。

1994年に解散時のメンバー(ドン・ヘンリー、グレン・フライ、ドン・フェルダー、ジョー・ウォルシュ、ティモシー・B. シュミット)が集結し、再び活動を開始します。この時にアルバムも作られましたが、タイトルが『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』、となっています。これは、1980年の活動停止にドン・ヘンリーが「The band would play together again when Hell freezes over」というコメントを出しました。地獄が全て凍る、つまりそんな事はあり得ないという意訳になっています。再結成についての可能性はそれほど低かった、という事を意味しています。

1998年にロックの殿堂入りを果たし、既に辞めたランディ・マイズナー、バーニー・レドンも加わった7人で「ホテル・カリフォルニア」「テイク・イット・イージー」を披露します。

2000年にドン・フェルダーが「バンドに貢献していない」事から突然の解雇を言い渡され、脱退してしまいます。事の真相は不明ですが、噂によれば、原因はドン・ヘンリーとグレン・フライの専横に不平不満を漏らし続けた事による解雇でした。ドン・フェルダーは解雇撤回と報酬分配の見直しを求めました。訴訟を繰り返して示談成立しましたが、両者の溝は埋まらぬまま、結局ドン・フェルダーはイーグルスに復帰する事はありませんでした。

その後も活動を続けますが、2016年に創設メンバーのグレン・フライがリウマチ性関節炎や肺炎による合併症の為67歳で亡くなります。後任として、カントリーミュージシャンのヴィンス・ギル、グレンの息子のディーコン・フライが加入します。その後も活動を続けておりますが、2022年にディーコン・フライが「自らの道を切り開く時が来た」とイーグルスを脱退します。

テキーラ・サンライズというカクテルがあります。シルバーテキーラ(無色透明、樽熟成をかけてないテキーラ)とオレンジジュース、そしてグレナデンシロップで作る甘口のカクテルですが、グレナデンシロップとそれ以外の液体の比重の差を利用して、太陽が昇る様を表現する、見た目でも楽しめる美味しいカクテルがあります。ミック・ジャガーがツアーの名前に使ったり、イーグルスがこのカクテルの名前を取り上げて有名になっています。

テキーラ・サンライズに似たような朝日が昇って、虚ろな心のまま働きに行き、その人生が続くのか、という男の歌です。自分自身を勇気づける為に「勇気という名の一杯」というのが何とも洒落てるな、と思います。

では和訳です。

It's another tequila sunrise

Starin' slowly 'cross the sky,

said goodbye


またテキーラサンライズのような、

空をゆっくり見つめて、

別れの挨拶をする羽目になった。


He was just a hired hand

Working on the dreams he planned to try

The days go by


あいつはただの労働者、

夢の実現の為に働いていたけど、

ただ日々は過ぎて行く。


Every night when the sun goes down

Just another lonely boy in town

And she's out runnin' 'round


毎晩太陽が沈んで、

あいつは寂しく街を彷徨い、

彼女もまた夜の街を遊び歩く。


She wasn't just another woman

And I couldn't keep from comin' on

It's been so long


彼女無しでは考えられなかった、

声をかけずにはいられなかった、

ずっとそうだったんだ。


Oh, and it's a hollow feelin'

When it comes down to dealin' friends

It never ends


まるで心にぽっかりと穴が開いたようだった、

結局は友達のままで落ち着くんだ、

それ以上にはならないんだ。


Take another shot of courage

Wonder why the right words never come

You just get numb


さあ、勇気という名の一杯をくれ。

何で間違った言葉しか出てこないのか、

お前は分からなくなっちまう。


It's another tequila sunrise,

This old world still looks the same,

Another frame


それはまるでテキーラサンライズのよう、

この古い世界はまるでそのまま。

何も変わっちゃいないんだ。


こんな感じです。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。

ではまた。

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