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2025年10月9日木曜日

Gordon Lightfoot - The wreck of the Edmund Fitzgerald

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、今日の洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はゴードン・ライトフットで「エドモンド・フィッツジェラルド号の難破」という歌です。




ゴードン・ライトフット作曲です。1976年のシングルで、全米2位を記録しました。また、同年発売されたアルバム『サマータイム・ドリーム』の収録曲です。

この歌は1975年に実際にスペリオール湖で起きた事件をテーマにしています。

エドモンド・フィッツジェラルド号は、1958年に竣工された当時最大の貨物船で、五大湖(エリー湖・スペリオール湖・オンタリオ湖・ヒューロン湖・ミシガン湖)の貨物運用に使われました。全長222.2メートル、積載能力は25400トンです。

1975年11月9日、積載能力を大幅に超えた26000トンもの鉄鉱石を積んで、強風警報が出ているにも関わらず、デトロイトに向けて出発しました。乗組員は29名です。

11月10日、天候は更に悪化して、航路を変化せざるを得ませんでした。その時16マイル(約25.7キロメートル)離れていたアンダーソン号にもその旨を告げていました。さらに風は強くなり、雪も降り、波の高さ3メートルを超え、アンダーソン号からエドモンド・フィッツジェラルド号が見えなくなりました。

船に水が入り、ポンプで水を汲み出していましたが、追いつかず、その後連絡が途絶え、雪の中でエドモンド・フィッツジェラルド号はスペリオール湖で沈没しました。アンダーソン号が救出に向かった時には空の救出ボートだけが浮かんでおり、乗組員全員が船もろとも湖の藻屑となって帰らぬ人となりました。

11月14日、当時のエドモンド・フィッツジェラルド号の目的地だったホワイトフィッシュ湾から約17マイルの所で沈没した船が発見されました。船体は真っ二つにねじれていました。

後にデトロイトの大聖堂で、帰らぬ人となった全29名の乗組員に祈りが捧げられ、一人一人に鐘が鳴らされました。

そのニュースを新聞で見たゴードン・ライトフットは、この歌を書く事を決意しました。

世の中、色々な災害や事件がありますが、風化させずに教訓として、事故などを起こさないようにしたいものです。

では和訳です。

The legend lives on from the Chippewa on down

Of the big lake they call Gitche Gumee

The lake, it is said, never gives up her dead

When the skies of November turn gloomy


伝説はチペワ族の間で語り継がれる、

彼らが「ギッチェグミー」と呼ぶ大きな湖で。

その湖は11月の空が薄暗くなると、

死体を浮かべる事は無いと言う。


With a load of iron ore twenty-six thousand tons more

Than the Edmund Fitzgerald weighed empty

That good ship and true was a bone to be chewed

When the gales of November came early


2万6千トンもの鉄鉱石の重荷は、

エドモンド・フィッツジェラルド号の空荷重量よりも重かった。

そしてその船と真実は、困難に直面していた、

11月の疾風が早く吹いた時だった。


The ship was the pride of the American side

Coming back from some mill in Wisconsin

As the big freighters go, it was bigger than most

With a crew and good captain well seasoned


その船はアメリカの誇り、

ウィスコンシンの砕石場からの帰りの事だった。

大型の貨物船には、他の船よりも経験豊かな、

乗組員と船長が乗っていた。


Concluding some terms with a couple of steel firms

When they left fully loaded for Cleveland

Then later that night when the ship's bell rang

Could it be the north wind they'd been feelin'?


いくつかの鉄鋼会社と契約を結んで、

クリーヴランドに向けて積荷を一杯にしていた時、

夜遅くに出航を告げる鐘が鳴ったが、

彼らが感じていたのは北風だったのか?


The wind in the wires made a tattle-tale sound

When the wave broke over the railing

And every man knew, as the captain did too

'Twas the witch of November come stealin'


鉄線に当たる風は子供達のおしゃべりのような音を出した、

手すりに波が当たって砕け散る。

乗組員は悟った、船長もそうだった、

11月の魔女が忍び寄って来た、と。


The dawn came late and the breakfast had to wait

When the gales of November came slashin'

When afternoon came it was freezing rain

In the face of a hurricane west wind


夜が更けて、朝食も待たなければならなかった、

11月の疾風が空気を切り裂いて来た。

午後になると、冷たい雨が降って来た、

ハリケーンの西側に向かって。


When suppertime came, the old cook came on deck

Saying, "Fellas, it's too rough to feed ya."

At seven PM a main hatchway caved in

He said, "Fellas, it's been good to know ya."


夕食どきに、年老いたコックがデッキにやって来て言った、

「お前達、この状態じゃ飯は出せないな。」

午後7時にはメインハッチが陥没した、

そして言った「お前達と知り合えて良かったよ。」


The captain wired in he had water comin' in

And the good ship and crew was in peril

And later that night when his lights went out of sight

Came the wreck of the Edmund Fitzgerald


「浸水が始まった」と船長が館内放送を入れた。

良き船と乗組員達は危機にさらされた。

そして夜遅く、船の明かりが見えなくなり、

エドモンド・フィッツジェラルド号は沈没した。


Does anyone know where the love of God goes

When the waves turn the minutes to hours?

The searchers all say they'd have made Whitefish Bay

If they'd put fifteen more miles behind her


みんなは神の慈愛がどこに行ったか知ってるだろうか、

波の到来が数分から数時間になった時?

探索者達は皆言う、後15マイル先に進んでいたら、

ホワイトフィッシュ湾まで辿り着けたはず、と。


They might have split up or they might have capsized

They may have broke deep and took water

And all that remains is the faces and the names

Of the wives and the sons and the daughters


船は割れたのかもしれない、それか転覆したのかもしれない、

粉々になって、波に飲まれたのかもしれない。

そこに残されたのは、乗組員達の、

妻や息子や娘の写真と名前だけだった。


Lake Huron rolls, Superior sings

In the rooms of her ice-water mansion

Old Michigan steams like a young man's dreams

The islands and bays are for sportsmen


ヒューロン湖は踊り、スペリオール湖は歌う、

氷水で出来た邸宅の中で。

古のミシガン湖の水蒸気はまるで若者達の夢のよう、

島や湾は釣り人達の為にある。


And farther below, Lake Ontario

Takes in what Lake Erie can send her

And the iron boats go as the mariners all know

With the gales of November remembered


そして遥か下にあるオンタリオ湖は、

エリー湖が送るものを手にしていた。

そして鉄の船が沈没した事は水夫達は知っている、

11月の疾風を思い出しながら。


In a musty old hall in Detroit they prayed

In the Maritime Sailors' Cathedral

The church bell chimed 'til it rang twenty-nine times

For each man on the Edmund Fitzgerald


デトロイトの海員水夫教会、

古臭くカビたホールで皆祈りを捧げた。

教会の鐘は29回も鳴った、

エドモンド・フィッツジェラルド号の乗組員一人一人に向けて。


The legend lives on from the Chippewa on down

Of the big lake they call Gitche Gumee

Superior, they said, never gives up her dead

When the gales of November come early


伝説はチペワ族の間で語り継がれる、

彼らが「ギッチェグミー」と呼ぶ大きな湖で。

スペリオール湖は11月の疾風が早く吹いてくると、

死体を浮かべる事は無いと言う。


こんな感じです。

あなたのお名前何ァんて由来のコーナー、今回はGordon Meredith LightfootのGordonの由来を紹介します。

Gordon

①古英語で「肥沃な牧草地」を意味する。また、スコットランドのベリックシャー州ゴードンに住む人々の姓として使われていた。

②フランス、ソーヌ=エ=ロワール県のグルドンからの入植者に由来する。ブリソン語で「gor」と「din」に由来し「広々とした砦」を意味する。

ハルツーム包囲戦(1885)にて、イギリス国民に絶大な人気を誇っていたチャールズ・ジョージ・ゴードン少将に敬意を表して、名前として使われるようになった。


という事で、Gordonと名付けられたこの方には、「広い牧草地のように伸び伸びと育って欲しい」という願いが込められているのかもしれません。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。X(旧Twitter)も宜しくお願い致します。IDとかは上に書いてます。

ではまた。

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