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2024年1月21日日曜日

Ma Rainey - See see rider blues

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、今日の洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はマ・レイニーでシー・シー・ライダー・ブルースです。



マ・レイニー、レナ・アラント作曲です。1925年(!)のシングルです。

マ・レイニーこと、ゲータルード・プリジット(Gertrude Pridgett)は1886年4月26日(日本では明治19年)、ジョージア州コロンバス生まれのブルースシンガーです。

戦前に活躍した黒人女性ブルースシンガーの走りの1人とされています。後世のミュージシャンが挙ってカバーした「シー・シー・ライダー」のオリジネイターとしても知られています。

移動劇団を行う一家に生まれ、14歳の頃には初舞台を踏んでいます。巡業で知り合った少女に歌を教えてもらい、それを歌ったのがゲータルードのブルース始まりとされています。

1904年、18歳でウィル・レイニーと結婚しています。この頃、芸名をマ・レイニーとしています。(夫ウィル・レイニーはパ・レイニー)レイニー夫妻は1906年にパット・シャペルが立ち上げ・運営しているラビット・フット・カンパニーに参加し、知名度を上げました。この頃に若かりし頃のルイ・アームストロングやベシー・スミスと出会っています。

1920年頃から黒人女性ブルースシンガーのレコードが出回るようになりました。その火付け役はマミー・スミスで、「クレイジー・ブルース」がヒットしたのをきっかけに、マ・レイニーやベシー・スミスがレコードを出して行きました。1923年にパラマウント・レコードと契約し、「バッド・ラック・ブルース」を録音しました。

ステージは好評で、ダイナミックなパフォーマンスが有名だった、とあるそうです。また、1970年代にはレズビアン文化運動が起こりましたが、マ・レイニーは「プルーブ・イット・オン・ミー・ブルース」という歌で、既に同性愛について歌っていました。いわば先駆け的な存在です。

その後1928年まで録音を続けましたが、母親の死をきっかけに引退して、劇場を運営しました。1939年12月22日、心臓発作で53歳で亡くなりました。

See see riderはC. C. Riderとも書かれます。一見分かりづらいですが、Easy riderという言葉が元になっています。意味は「尻軽」です。

浮気男を懲らしめてやるわ、という歌です。

チャック・ウィリス、エルヴィス・プレスリー、ザ・アニマルズ等たくさんのミュージシャンがカバーしました。

では和訳です。

I'm so unhappy,

I feel so blue.

I always feel so sad.

I made a mistake

Right from the start.

Oh, it seems so hard to part.

Oh, but this letter

That I will write,

I hope he will remember,

When he receive' it.


あたしゃ不幸続き、

ブルーだわ。

いつも悲しい気分よ。

最初っから、

あたしゃ間違ってたのよ。

別れるのは辛いわよ。

でもこの手紙を、

あたしが書いて、

受け取った時に、彼が覚えてくれてると良いわ。


Seeee see, rider.

See what you done done.

Lawd, lawd, lawd.

Made me love you,

Now your girl done come.

You made me love you,

Now your gal done come.


この浮気男、

あんた何したか見てみなさいよ。

あんたが私を愛させたのよ、

あんたの彼女が来たわよ。

あんたが私を愛させたのよ、

あんたの彼女が来たわよ。


I'm go'n away, baby,

Won't be back till fall.

Lawd, lawd, lawd.

Go'n away, baby,

Won't be back till fall.

If I find me a good man,

I won't be back at all.


あたしは行くわ、

秋まで戻らないから。

あたしは行くわ、

秋まで戻らないから。

あたしに良い男が見つかったら、

もうあんたの所には戻らないから。


I'm gonna buy me a pistol,

Just as long as I am tall.

Lawd, lawd, lawd.

Gonna kill my man and,

Catch the Cannonball.

If he don't have me,

He won't have no gal at all.


ピストルを買うわ、

できるだけデカいやつをね。

あたしの彼氏を殺して、

特急に飛び乗るわ。

あいつがあたしをモノにしないなら、

あいつには彼女はできやしないわ。


こんな感じです。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。

ではまた。

1 件のコメント:

  1. こんにちは。「ピンと針」のリクエストに応えてくださり、ありがとうございます。C.C.Rider、ホントにたくさんあるんですね。The Band ,Johnny Rivers ,イアンとシルビア、それぞれの解釈でおもしろい。Greatful Dead 、思いのほか?素晴らしかった。知らないアーティストもバラエティーに富んでいて皆さん凄い。料理し甲斐のある題材なんですね。先日、映画カラーパープルの紹介で、女性アーティスト、活動家の先駆者として彼女の名が出て(名久井さんの記事を見ていなければ存じ上げない方でしたので)嬉しかったです。

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