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2017年1月27日金曜日

The Byrds - Pretty Polly

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

最近はこのブログの末尾に、「リクエスト募集中」と書いております。それもだいたい3~4ヶ月前ぐらいから募集をかけておりましたが、何と昨日! 初めてリクエストを頂きました。

そこで洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はSatgio Agueroさんのリクエストです。ザ・バーズでプリティー・ポリーという歌です。




Satgio Agueroさんのリクエストは、「Pretty Polly」を和訳してほしい、との事でした。早速調べたものをここに記したいと思います。

Pretty Pollyは伝承曲で、イギリスやカナダ、北アメリカのアパラチア山脈周辺など、様々な所で生まれたようです。

この歌には「Pretty Polly」以外にもタイトルがあり、「The Gosport Tragedy」(ゴスポートの悲劇)、「The Cruel Ship's Carpenter」(残酷な船大工)の二つがありますが、どちらも、人殺しの歌です。

様々なアーティストがカバーしています。ジュディ・コリンズ、ピート・シーガー、ギルバート・オサリバンなどいますが、今日はアメリカのザ・バーズのバージョンでお送りします。

ザ・バーズはアメリカのフォークロックのバンドです。

メンバーは以下の通りです。

•ジーン・クラーク (Gene Clark, v)
•デヴィッド・クロスビー (David Crosby, rhythm g, v)
•ジム・マッギン (Jim McGuinn, lead g, v)
•クリス・ヒルマン (Chris Hillman, b)
•マイケル・クラーク (Michael Clark, d)

ジーン・クラークとデヴィッド・クロスビー、ジム・マッギンの3人が、まだフォークシンガーとして活動していた時の1964年に、ハリウッドのフォーククラブ、トルバドールで出会い、意気投合し、ジェット・セットを結成、すぐにクリス・ヒルマンとマイケル・クラークが加わり、ザ・バーズとなります。

デビューは1965年、コロムビア・レコードからシングル、「ミスター・タンバリン・マン」を発売し、ビルボードホット100で1位、イギリスのチャートでも1位を記録する大ヒットとなりました。

彼らの音楽はフォーク・ロックというもので、「ミスター・タンバリン・マン」のデビュー前から、「堅い雰囲気のフォーク・ソングをビート・グループがやるようなポップな感じで演奏する」という方向性は決まっていました。しばらくそのような歌を探していたときに見つかったのが「ミスター・タンバリン・マン」です。

実はザ・サーチャーズも「俺でよけりゃ」、「ピンと針」など、ザ・バーズがやっていた事を既にやっていましたが、アメリカではサーチャーズは人気が出ず、「フォーク・ロックの旗手」といえばザ・バーズ、という認識が生まれる結果となりました。

続く「ターン・ターン・ターン」も大ヒットします。

1966年のアルバム『霧の五次元』で、ジム・マッギンが独裁をするようになり、メンバー同士で不仲状態が生まれてしまい、メンバーが次々と入れ替わってしまいます。既に脱退していたジーン・クラークが復帰したり、デヴィッド・クロスビーも脱退したり、最終的にはジム・マッギン以外のオリジナルメンバーがいなくなってしまったり、1973年に、オリジナルメンバーでアルバム発表、ライブ活動もやりますが、解散してしまいます。

今回のバーズのプリティー・ポリーですが、1968年発売のアルバム『ロデオの恋人』のアウトテイクとした、1997年の再発売のときに、ボーナストラックで収録されました。

では和訳です。

There used to be a gambler who courted all around

There used to be a gambler who courted all around

He courted pretty Polly, such beauty never been found


かつてギャンブラーがいた、女たらしのギャンブラーさ。

かつてギャンブラーがいた、女たらしのギャンブラーさ。

そいつは可愛いポリーをナンパした、そこら中にはいないべっぴんさ。


"Pretty Polly, pretty Polly, come go along with me

Pretty Polly, pretty Polly, come go along with me

Before we get married, some pleasures to see"


「可愛いポリー、可愛いポリー、俺と一緒にいてくれよ。

可愛いポリー、可愛いポリー、俺と一緒にいてくれよ。

俺ら結婚する前に、たくさん喜ばせてやるよ。」


She jumped up behind him and away they did go

She jumped up behind him and away they did go

Down into the valley that was far below


彼の後ろで彼女はジャンプして、彼らは遠くに行った。

彼の後ろで彼女はジャンプして、彼らは遠くに行った。

谷の奥深く、ずっと下方の所に。


They went a little further and what did they spot

They went a little further and what did they spot

But a newly dug grave with a spade lying by


もっと進んだ彼らは、何を見た?

もっと進んだ彼らは、何を見た?

ただ新しい墓石と、鍬が置いてあるだけだった。


"Oh, Willy, hey, Willy, I'm afraid of your ways

Oh, Willy, hey, Willy, I'm afraid of your ways

I'm afraid you will lead my poor body astray"


「ねえウィリー、あなた私に何をしようとしてるの?

ねえウィリー、あなた私に何をしようとしてるの?

私を騙そうとしているのね。」


"Pretty Polly, pretty Polly, you guessed it just right

Pretty Polly, pretty Polly, you guessed it just right

I dug all your grave the better part of last night"


「可愛いポリー、そうさ、お前の言うとおりさ。

可愛いポリー、そうさ、お前の言うとおりさ。

昨日の晩、ちょうどいい時にお前の墓を掘っておいたのさ。」


Then he stabbed her in her heart till her heart's blood did flow

He stabbed her in her heart till her heart's blood did flow

Down into the grave pretty Polly did go


そして彼はポリーの心臓を突き刺し、血を流させた。

そして彼はポリーの心臓を突き刺し、血を流させた。

可愛いポリーは墓の下に埋められた。


Now a debt to the devil, that Willy must pay

A debt to the devil, that Willy must pay

For killing pretty Polly and running away


ウィリーは罪を償わなくてはいけない。

ウィリーは罪を償わなくてはいけない、

哀れなポリーを殺してその場を去った罪を。


こんな感じです。

ナンパしておいて、森とか谷に連れてきておいて、墓を用意しておいて、殺すんですから、なんとひどい男でしょうか。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト募集中です。ある方はコメント欄に記入よろしくお願いします。

改めて、Satgio Agueroさん、リクエストありがとうございます。

ではまた。

2 件のコメント:

  1. こんなに早く和訳して下さって本当にありがとうございます!様々な地域で生まれた伝承曲だったんですね、初めて知りました。
    初めてこの曲を知ったのはNirvanaのpollyという曲がきっかけだったのですがその曲自体は当時アメリカであったサイコパス殺人犯の話を歌詞にしたと聞いていました。
    原曲のPretty Pollyが伝承曲で様々なアーティファクトたちが様々な時代にカバーしているということはやはり昔からサイコパスやシリアルキラーが世を騒がしていたのかと思いました。

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    返信
    1. Satgio Aguero様

      コメントありがとうございます。

      お気に召したようで私も大変嬉しく思っております。

      ニルヴァーナにそんな曲があるんですか。まさに今回のプリティー・ポリーが参考になったという事ですね。いつの時代も変わった人が注目される世の中なんですね。

      またリクエストありましたら是非コメントお願いします。

      削除