もうここまで来たか、と思いました。ここまで3年と7ヶ月かかりました。思えば、去年の6月からほぼ毎日更新していました。
音楽文章ラジオ、これからも777回、888回と続けて更新して行きたいと思います。だからと言って、999回が来ないなんて事はありませんよ。笑
では、Murder Song特集第2回目です。
今日の洋楽
第2回目は、マーティ・ロビンズでエル・パソです。
マーティ・ロビンズ作曲です。1959年のシングルでホット100とカントリーチャートで1位を記録しています。また、同年発売のアルバム『Gunfighter ballad and trail songs』収録です。
人殺しの歌というと残虐なイメージがありますが、この歌は人殺しというよりは、西部劇のイメージが強いです。アルバムにガンファイトと名前が乗っていますからね。
この歌は4分半と、当時のシングル盤の曲の長さにしては長い方でした。今でこそ、4分5分のポピュラーソングはたくさん出回っていますが。マーティ・ロビンズの所属していたレコード会社は、この長さの歌をリリースするのに抵抗がありました。
その心配をよそに、この歌は大ヒットしたんですから、凄いですよね。
では、和訳です。歌詞が長いから、心して見て下さい。
Out in the West Texas town of El Paso
I fell in love with a Mexican girl
Night time would find me in Rosa's cantina
Music would play and Feleena would whirl
エル・パソというテキサスの西の街で、
俺はメキシコの女に恋に落ちた。
夜になったらロサの酒場で俺に会えるさ。
音楽は鳴り、フェリーナはくるくる回る。
Blacker than night were the eyes of Feleena
Wicked and evil while casting a spell
My love was deep for this Mexican maiden
I was in love, but in vain I could tell
フェリーナの瞳は夜よりも暗い、
呪文をかけてる時はまるで魔女のよう。
メキシコのあの娘のおかげで俺の愛は深かった。
俺は恋に落ちていたが、虚しいものだと分かってた。
One night a wild young cowboy came in
Wild as the West Texas wind
Dashing and daring, a drink he was sharing
With wicked Feleena, the girl that I loved
ある夜、若いカウボーイがやって来た、
西から吹くテキサスの風みたいに荒々しい奴さ。
颯爽と、大胆に酒を交わしてた、
俺が愛してたフェリーナと。
So in anger
I challenged his right for the love of this maiden
Down went his hand for the gun that he wore
My challenge was answered in less than a heartbeat
The handsome young stranger lay dead on the floor
俺はそいつに、彼女の愛をかけて決闘しろと言った。
そいつは携えていた銃に手をかけた。
俺の挑戦は、一瞬のうちに終わった、
若く見知らぬ奴が床に倒れたのが答えだった。
Just for a moment
I stood there in silence
Shocked by the foul evil deed I had done
Many thoughts raced through my mind as I stood there
I had but one chance and that was to run
俺はしばらく何も言えずに立ち尽くした、
自分がした酷い事にショックを受けて。
色々な考えが頭の中をよぎったが、
出来たのは一つだけ、逃げる事だった。
Out through the back door of Rosa's I ran
Out where the horses were tied
I caught a good one
It looked like it could run
Up on its back and away I did ride
ローサの店の裏口から逃げ出した、
外に繋がれた馬の所まで。
そして良さそうなやつを見つけた、
こいつは速そう、と思うやつを。
そいつの背中にまたがって、俺は逃げた。
Just as fast as I could
From the West Texas town of El Paso
Out to the badlands of New Mexico
テキサスのエル・パソから、
ニュー・メキシコのバッドランドも早く抜けて。
Back in El Paso my life would be worthless
Everything's gone in life, nothing is left
It's been so long since I've seen the young maiden
My love is stronger than my fear of death
エル・パソに戻った俺の人生は価値のないものだった。
俺の人生には何も残らなかった。
あの娘を見たときから随分経った。
俺の愛は死の恐怖よりも強かった。
I saddled up and away I did go
Riding alone in the dark
Maybe tomorrow a bullet may find me
Tonight nothing's worse than this pain in my heart
俺は馬に鞍をかけて、
暗闇の中走った。
明日俺の体を銃弾が貫くかもしれない。
今夜は胸の痛みの方がもっと酷い。
And at last here I am
On the hill overlooking El Paso
I can see Rosa's cantina below
My love is strong and it pushes me onward
Down off the hill to Feleena I go
結局、俺は今エル・パソを見下ろす丘にある。
下にはローサの酒場が見える。
俺の愛は強く、俺を動かさせたんだ、
丘の下のフェリーナの元に。
Off to my right I see five mounted cowboys
Off to my left ride a dozen or more
Shouting and shooting I can't let them catch me
I have to make it to Rosa's back door
俺の右には5人のカウボーイ、
俺の左には1ダースか、もっといた。
叫びながら俺を撃とうとしたが、捕まってなるものか。
ローサの酒場の裏口まで行かなければ。
Something is dreadfully wrong for I feel
A deep burning pain in my side
Though I am trying to stay in the saddle
I'm getting weary, unable to ride
何かとてつもない異変を体に感じた。
俺の脇腹が酷く痛む。
何とか鞍にしがみつこうとしたが、
俺はどんどん弱り、乗るのが辛くなってきた。
But my love for Feleena is strong
And I rise where I've fallen
Though I am weary I can't stop to rest
I see the white puff of smoke from the rifle
I feel the bullet go deep in my chest
俺のフェリーナへの愛は強い、
俺は立ち上がった、
弱っていても休む暇なんかない。
ライフルから白い煙が見え、
銃弾が俺の胸を突き刺したんだ。
From out of nowhere Feleena has found me
Kissing my cheek as she kneels by my side
Cradled by two loving arms that I'll die for
One little kiss and Feleena, goodbye
どこからともなくフェリーナが俺を見つけ、
俺の頬にキスをして、俺のそばで跪いた。
この愛する腕に包まれたなら、俺は死んでも良い。
キスをしてくれ、そしたらサヨナラだ、フェリーナ。
こんな感じです。
人殺しをした男が、最終的にはナイフで刺されて死んでいく歌です。
今日はこの辺でお時間です。
ではまた。
素晴らしい曲です。マーティはカントリーとポピュラー両方で活躍した歌手ですね。エルパソは確か日本ではドーナツ盤のローハイドかアラスカ魂のB面。当時良い曲だと思ったが全米の大ヒットとは知らなかった。最近ニューメキシコを舞台にした面白いドラマブレーキングバッドの最終回にこの曲が使われており驚きました。
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