今日の洋楽
最終回は、パット・ヘアで、アイム・ゴナ・マーダー・マイ・ベイビーです。
パット・ヘア作曲です。1941年のドクター・クレイトンの曲「チーティング・アンド・ライイング・ブルース」を基にしています。
パット・ヘアこと、オーバーン・ヘアは1930年12月20日、アーカンソー州チェリー・バレー出身の黒人ギタリストです。
1950年代は、まだディストーションなどのエフェクターは開発されていませんでしたが、パット・ヘアは、ディストーションを使ってギターの音をヘビーにしているので知られています。
1951年、ジュニア・パーカーのバンドにギタリストで加入して、「ラヴ・ミー・ベイビー」などの録音に参加しています。1952年、サン・レコードに所属します。ジュニア・パーカー以外にも、ハウリン・ウルフやジェームズ・コットンなどのブルースマンのバックギタリストとしても活動します。マディ・ウォーターズとも共演していますが、その時には、伝説のニューポート・ジャズ・フェスティバルにも出演しています。
「アイム・ゴナ〜」が録音されたのは1954年でした。パットの暴力的な部分を出したこの歌は、後にギタリストとしての生命を絶たれるのを予言していたとは、この時誰も気がつかなかったでしょう。
飲酒問題でマディ・ウォーターズのギタリストをクビになったパットは、1963年12月、ガールフレンドを銃で殺してしまいます。その時に駆けつけた警察官も銃で殺してしまい、パットには終身刑が言い渡されました。1980年9月26日、肺がんでこの世を去ります。
特集で紹介した歌は、架空・実際の事件ともに、他人の殺人を歌った歌です。ジョニー・キャッシュの「アイ・ハング・マイ・ヘッド」は自分の殺人を歌っていますが、それは架空の話です。
今回の曲がハイライトとした理由は、まず殺人を犯したのが歌った自分であること、そしてそれが実際の事件だったという2つのポイントがあげららます。
では、どんな歌なのか、和訳をご覧ください。
Good mornin’ judge, and your jury too
I’ve got a few things that I’d like to say to you
おはよう、裁判官に陪審員。
何個か言っておきたい事がある。
I’m gonna murder my baby
Yes, I’m gonna murder my baby
(I just thought you’d like to know, Judge)
Yes, I’m gonna murder my baby
Don’t do nothing but cheat and lie
彼女を殺してやるぜ。
そう、彼女を殺してやるぜ。
知っといた方が良いぜ。
そう、彼女を殺してやるぜ、
彼女はただの嘘つきなんだ。
Yes, she left home in the morning
She didn’t get back till night
She swore before her maker
That she’s treatin’ me right
朝家を出てって、
夜まで帰ってこない。
神様に誓ったんだぜ、
俺に優しくするって。
I’m gonna murder my baby
Yes, I’m gonna murder my baby
(Judge, you ought to know)
Yes, I’m gonna murder my baby
Don’t do nothing but cheat and lie
彼女を殺してやるぜ。
そう、彼女を殺してやるぜ。
知っといた方が良いぜ。
そう、彼女を殺してやるぜ、
彼女はただの嘘つきなんだ。
My baby used to help her man
Treat me right
But now she goes out
And stays all night long
彼女は俺を助けて、
俺に優しくしたんだ。
だが彼女行っちまった。
帰って来やしない。
I’m gonna murder my baby
(Talking to the judge now)
Yes, I’m gonna murder my baby
Yes, I’m gonna murder my baby
Don’t do nothing but cheat and lie
彼女を殺してやるぜ。
裁判官に話してんだよ。
そう、彼女を殺してやるぜ。
そう、彼女を殺してやるぜ、
彼女はただの嘘つきなんだ。
こんな感じです。
タイトルの通りです。
今日はこの辺でお時間です。9日間、Murder Song特集をご覧いただきありがとうございました。明日からは通常営業です。
ではまた。
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