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2019年5月21日火曜日

Joan Baez - For Sasha

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、洋楽和訳のコーナーです。
今日の洋楽

今日はジョーン・バエズでフォー・サーシャです。



ジョーン・バエズ作曲です。1980年のアルバム『ライブ』、また前年1979年のアルバム『オネスト・ララバイ』収録曲です。

この歌はホロコーストの事を歌っています。ホロコーストとは、第二次世界大戦中にアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツによる、ユダヤ人等に対して行われた大量虐殺の事を指します。

ユダヤ人を収容所に送り込み、過酷な強制労働を課したり、人体実験、また一酸化炭素や毒ガス・排気ガスなどを用いて殺戮を行った結果、ホロコーストによって殺されたユダヤ人は900万から1100万にものぼります。

今回のジョーン・バエズの歌の「サーシャ」は誰の事を指すのかは分かりませんでしたが、ホロコーストの惨状をテーマにして、二度とこんな事が行われないように祈りを込めて歌われています。

では和訳です。

Here by my window in Germany

A morning bird flies close to me

On his wing I see a yellow star

The lights are on in the factory

The frost is hung on the linden tree

And I remember where we are


このドイツの私の部屋の窓のそば、

朝を知らせる鳥が私の近くに来て、

私はその翼に黄色い星を見た。

明かりは工場から差し、

リンデンの木に霜がつく、

そして私達がどこにいるのかを思い出す。


And I remember the holocaust

I remember all we lost

The children gone and the borders crossed

And I sing of it now for Sasha


私はホロコーストを忘れない。

私達の失ったものを忘れない。

子供たちはいなくなり、国境は超えられた。

私はこの歌をサーシャに捧げる。


A young German officer lies in his bed

Bandages from toe to head

A prisoner of the camps draws nigh

If you are Abel and I am Cain

Forgive me from my bed of pain

I know not why we die


若いドイツ人の警官がベッドに横たわる。

包帯が全身に巻かれている。

囚人のキャンプが近くに来る。

もし貴方がアベルで、私がカインなら、

苦しみのベッドにいる私を許して、

私達がなぜ死ななければならないのか分からない。


It was I who ordered the building burned

The job was over and as I turned

A father and his son

Caught in the flames high above the ground

From cradled arms the boy looked down

One leap and their lives were done


建物を燃やすと指示を出したのは私だった。

仕事はなされ、私は父親とその息子を、

地面から立ち上る炎に巻き込んでしまった。

赤ん坊を抱いたその腕から、

一度飛ぶと彼らの命は尽きた。


And I remember the holocaust

I remember all we lost

The children gone and the borders crossed

And I sing of it now for Sasha


私はホロコーストを忘れない。

私達の失ったものを忘れない。

子供たちはいなくなり、国境は超えられた。

私はこの歌をサーシャに捧げる。


You in windy streets of Heidelberg

Your youth unbearded takes form in words

And the ghosts of the past are kind

For this was your university

The years were long but the spirits free

And your river runs to the Rhine


ハイデルベルグの風吹く道にいる貴方、

立ち向かう事が出来ない青春時代は、その言葉から成り立っている。

過去の幽霊は親切なのよ。

ここは貴方の大学だから。

年月は長かったけど、魂は自由になれる。

貴方の川はライン川へと続いて行く。


The smoke filled taverns that you once roamed

With the discontented who'd stayed at home

We must have whiskey or well die

The beer garden under the old chateau

Our faces now in the candle glow

See the memories how they shine


貴方が一度訪れた酒場を煙が覆う、

家にいた人が不満を抱きながら。

ウィスキーを飲むか、死ぬしかないわ、

大邸宅の下のビアガーデンで。

ロウソクにうつる私達の顔が輝く。

思い出がどのように輝くか見ましょう。


But you remember the holocaust

You remember all we lost

The families torn and the borders crossed

And we'll sing of it now for Sasha


貴方はホロコーストを忘れない。

私達の失ったものを忘れない。

家族は引き裂かれ、国境は超えられた。

私はこの歌をサーシャに捧げる。


こんな感じです。


今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。


ではまた。

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