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2019年5月30日木曜日

The Byrds - Drug store truck drivin’ man

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、洋楽和訳のコーナーです。
今日の洋楽

今日は、ザ・バーズでドラッグストア・トラック・ドライヴィン・マンです。



ロジャー・マッグィン、グラム・パーソンズ作曲です。1969年のシングル「バッド・ナイト・アット・ザ・ウィスキー」B面曲です。

歌詞に出てくるクー・クラックス・クラン(通称KKK)は、南北戦争後に結成された、白人の優越性を維持し、反カトリック、反同性愛などを支持する秘密結社です。アメリカでは「極右グループ」「人種差別主義グループ」と認識されている悪名高い組織です。

黒人の奴隷が解放されると、それを快く思わない白人が集まったものです。最初は白装束に白の三角巾を被り街を練り歩く、ぐらいの活動でしたが、次第に黒人から恐れられるようになり、黒人の通う教会を焼き払ったり、選挙権を主張する黒人、そしてその黒人を支持する白人を殺害したり、とエスカレートしていき、「テロリスト集団」となりました。

一度はその勢力は弱まったものの、第一次世界大戦が勃発し、敵国ドイツのスパイをアメリカから追い出す、と主張するやいなや、今度は反ユダヤ主義が生まれ、黒人や非白人、他宗教を信仰する人々を強姦、殺害するようになりました。1923年にはオクラホマ州でこの団体による事件が2500件も発生し、縄で縛って列車に轢かせたり、焼印を体に押したり、残虐さが増していきます。1924年には最多数600万もの人々が会員になったそうです。

第二次世界大戦後にも復活しましたが、その頃には会員数も激減し、統率力に欠けたまとまりのない組織になりました。

歌詞に出てくるドラッグストアのトラックの運転手は上の団体の頭、と言われていますが、「カントリーのレコードをかける」「若い奴が嫌い」「ロックが嫌い」と歌われています。これだけ見ると普通の人ですが、嫌いの度合いがKKKの頭にしては弱い、と思われますが、真相やいかに。

では和訳です。

He's a drug store truck drivin man

He's the head of the Ku Klux Klan

When summer rolls around

He'll be lucky if he's not in town


あいつは薬局のトラックドライバー、

クー・クラックス・クランの頭だ。

夏が来て、

そいつが街にいなけりゃラッキーだ。


Well he's got him a house on the hill

He plays country records till you've had your fill

He's a fireman's friend, he's an all night DJ

But he sure does think different from the records he plays


そいつは丘の上に家を建てた。

満足するまでカントリーのレコードをかけるんだ。

消防士の友達でもあり、夜DJをやっている。

でもそいつのかけるレコードとは違うって思ってるだろうな。


He's a drug store truck drivin man

He's the head of the Ku Klux Klan

When summer rolls around

He'll be lucky if he's not in town


あいつは薬局のトラックドライバー、

クー・クラックス・クランの頭だ。

夏が来て、

そいつが街にいなけりゃラッキーだ。


Well he don't like the young folks I know

He told me one night on his radio show

He's got him a medal he won in the war

Weighs five hundred pounds and sleeps on his floor


そいつは若い奴が嫌いだった。

そいつのラジオ番組で俺に言ったんだ。

戦争で貰ったメダルがあった、

500ポンドも重さがあって、床に転がってるってさ。


He's a drug store truck drivin man

He's the head of the Ku Klux Klan

When summer rolls around

He'll be lucky if he's not in town


あいつは薬局のトラックドライバー、

クー・クラックス・クランの頭だ。

夏が来て、

そいつが街にいなけりゃラッキーだ。


He's been like a father to me

He's the only DJ you can hear after three

I'm an all night musician in a rock 'n' roll band

And why he don't like me, I can't understand


そいつは俺にとっちゃ親父のような奴だ。

3時以降になったら聴ける唯一のDJだ。

俺はロックンロールのバンドにいるミュージシャン、

何で俺が嫌いなのか、俺には理解できない。


He's a drug store truck drivin man

He's the head of the Ku Klux Klan

When summer rolls around

He'll be lucky if he's not in town


あいつは薬局のトラックドライバー、

クー・クラックス・クランの頭だ。

夏が来て、

そいつが街にいなけりゃラッキーだ。


This one is for you, Ralph


こいつはお前にだぜ、ラルフ。


こんな感じです。


今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。


ではまた。

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