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2020年7月28日火曜日

The Band - The weight

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、今日のボブ・ディランのコーナーです。

今日のボブ・ディラン

7月28日(火)



~And then I kiss your lips as I lift your veil
But you’re gone and the all I seem to recall is the smell of perfume
And your golden loom~

~ぼくはきみのヴェールをあげてきみの唇にキスをする
でもきみはどこかに消えてしまった
ぼくに思い出せるものといえば香水の残り香
そしてきみの黄金の縁取りだけ~

「Golden loom」より

今日の洋楽

今日はザ・バンドでザ・ウェイトです。




ロビー・ロバートソン作曲です。1968年のシングルで、ホット100で63位を記録しました。

ザ・バンドはカナダ出身の5人組のバンドです。ロックに、カントリーやフォーク、R&Bといったルーツ・ミュージックを取り入れた音楽性で知られています。代表曲は「ザ・ウェイト」「オールド・ディキシー・ダウン」「ラグ・ママ・ラグ」「同じことさ」などです。

メンバーは以下の通りです。

•ロビー・ロバートソン (Jaime Royal Robertson, 1943.07.05- g)
•リック・ダンコ (Richard Clare Danko,  1943.12.29-1999.12.10 b, v)
•レヴォン・ヘルム (Mark Lavon Helm, 1940.05.26-2012.04.19 d, v)
•リチャード・マニュエル (Richard George Manuel, 1943.04.03-1986.03.04 p, v)
•ガース・ハドソン (Eric Garth Hudson, 1937.08.02- k, sax,etc)

元は1950年代中盤に、アメリカのロカビリー歌手、ロニー・ホーキンスのバックバンドとして活動していたのが始まりです。その頃にはすでにレヴォン・ヘルムがドラムスでいました。

1958年頃からアメリカでロックンロールが下火になり、バックバンドと共に活動の拠点をカナダに置きました。が、ロニーとレヴォン以外のメンバーが次々とホームシックにかかり脱退してしまいます。そうしてメンバーの人事異動が数多く行われた結果、上の5人が揃う事となります。

やがてロニーの元を離れて自分達だけで活動をするようになります。その時の名前が「レヴォン&ザ・ホークス」です。

ボブ・ディランと出会い、1966年のツアーにバックバンドとして活動していきます。この時期は、ボブ・ディランはそれまでのアコースティック・ギターからエレキギターにシフトチェンジし始めて間もない頃で、従来のフォークファンから多数のブーイングが寄せられます。この事に嫌気がさして、ドラムスのレヴォンは一時脱退します。

ツアーが終わった1966年7月、ボブ・ディランはバイク事故で隠居状態になります。仕事を失っても尚、ボブ・ディランとの交流が続き、この時期に録音された曲は後に『ベースメント・テープス』と呼ばれ、世に出る事となります。

そしてホークスはザ・バンドと名前を変え、1968年にアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』をリリースします。

ザ・バンドはボブ・ディランはじめ多数のミュージシャンと幾度となく共演を果たしており、特にボブ・ディランがライヴ活動を復活させた1974年の『偉大なる復活』は最初から最後まで両者共演を楽しめますし、ザ・バンドが主となり出演した1972年の『ロック・オブ・エイジス』には最後の方でボブ・ディランがゲスト出演して、ザ・バンドと演奏する場面もあります。

さらにボブ・ディランのアルバム『プラネット・ウェイヴス』、ボビー・チャールズ『ボビー・チャールズ』エリック・クラプトン『ノー・リーズン・トゥ・クライ』、そしてマディ・ウォーターズやリンゴ・スターのアルバムなどでもザ・バンドがバックを務めるなど、数多くの共演を重ねています。

ライヴでも評判が高く、活動は順調に思えましたが、次第にロビー・ロバートソンがイニシアチブを取るようになり、他のメンバーと溝が出来てしまいます。特に、ロビーはアルバム制作に重点を、それ以外のメンバーはライヴ活動を重点を置く事で対立します。

それが顕著になったのが1976年、ロビーがザ・バンドとしてのライヴ活動を最後にすると発表した「ザ・ラスト・ワルツ」です。このコンサートの後に、ロビー以外のメンバーは解散を望んでいませんでしたが、結局このライヴが解散コンサートになり、アルバム『アイランズ』を発表した後解散します。

これ以降ザ・バンドの再結成にロビーが参加する事はありませんでした。例外があり、1994年にザ・バンドがロックの殿堂入りした時に再結成して演奏しますが、この時集まったのがロビー、リック・ダンコ、ガース・ハドソンの3人で、レヴォンは反発して不参加に、リチャード・マニュエルは1986年に自殺しています。

さらに1999年にリック・ダンコが亡くなり、ザ・バンドとしての活動は終わりを迎えます。残ったロビー、レヴォン、ガースはソロで活動を続けますが、2012年にレヴォン・ヘルムも亡くなります。

「荷物はここに置いて行きなよ」という事から、色々な悩みやトラブルを抱えている人達に、楽になれよと歌っているのかもしれません。

では和訳です。

I pulled into Nazareth, was feelin' about half past dead

I just need some place where I can lay my head

"Hey, mister, can you tell me where a man might find a bed?"

He just grinned and shook my hand, "no" was all he said


ナザレスに着いた時、半分くらい死んだ感じがした。

横になれる場所が必要だった。

「旦那、どこに行きゃ眠れるんだ、教えてくれよ」

そいつはニヤッと笑い握手して、「ノー」とだけ言ったのさ。


Take a load off Fanny

Take a load for free

Take a load off Fanny

And (and, and) you put the load right on me

(You put the load right on me)


荷物を置きなよ、ファニー、

ただで置いて行っていいからよ。

荷物を置いてきなよ、ファニー、

後は俺に任せなよ。


I picked up my bag, I went lookin' for a place to hide

When I saw Carmen and the Devil walkin' side by side

I said, "Hey, Carmen, come on let's go downtown."

She said, "I gotta go but my friend can stick around."


俺はカバンを持って、隠れられる場所を探した、

そしたらカルメンと悪魔が並んで歩くのを見たんだ。

俺は声をかけた、「カルメン、俺とダウンタウンに行こうぜ」

彼女は言った、「ごめん行けないの、こいつがしつこく付きまとうのよ」


Take a load off Fanny

Take a load for free

Take a load off Fanny

And (and, and) you put the load right on me

(You put the load right on me)


荷物を置きなよ、ファニー、

ただで置いて行っていいからよ。

荷物を置いてきなよ、ファニー、

後は俺に任せなよ。


Go down, Miss Moses, there's nothin' you can say

It's just old Luke and Luke's waitin' on the Judgment Day

"Well, Luke, my friend, what about young Anna Lee?"

He said, "Do me a favor, son, won't you stay and keep Anna Lee company?"


諦めな、ミス・モーゼス、あんたがもう言える事は無い。

あの偉大なルカは、審判の日を待ってるんだ。

「なあ、ルカ、まだ小ちゃいアンナはどうするんだ?

彼は言った「頼みがある、アンナの面倒を見ちゃくれねえか」


Take a load off Fanny

Take a load for free

Take a load off Fanny

And (and, and) you put the load right on me

(You put the load right on me)


荷物を置きなよ、ファニー、

ただで置いて行っていいからよ。

荷物を置いてきなよ、ファニー、

後は俺に任せなよ。


Crazy Chester followed me and he caught me in the fog

He said, "I will fix your rack if you take Jack, my dog."

I said, "Wait a minute, Chester, you know I'm a peaceful man."

He said, "That's OK, boy, won't you feed him when you can?"


クレイジーなチェスターが、靄の中で俺に追いついた。

彼は言った「俺の犬、ジャックって言うんだが、面倒見てくれるなら棚を直してやるぜ」

「待てよ、チェスター、俺は平和主義者だぞ」

彼は言った「大丈夫さ、暇が出来たら餌やってくれ」


Take a load off Fanny

Take a load for free

Take a load off Fanny

And (and, and) you put the load right on me

(You put the load right on me)


荷物を置きなよ、ファニー、

ただで置いて行っていいからよ。

荷物を置いてきなよ、ファニー、

後は俺に任せなよ。


Catch a cannon ball now to take me down the line

My bag is sinkin' low and I do believe it's time

To get back to Miss Fanny, you know she's the only one

Who sent me here with her regards for everyone


急行列車に乗って、俺を連れてってくれよ。

俺のバッグはボロボロ、もう潮時だな。

ファニーの所にでも戻るか、彼女はたった一人で、

俺をここに行かせて、色んな奴らに会わせたんだからな。


Take a load off Fanny

Take a load for free

Take a load off Fanny

And (and, and) you put the load right on me

(You put the load right on me)


荷物を置きなよ、ファニー、

ただで置いて行っていいからよ。

荷物を置いてきなよ、ファニー、

後は俺に任せなよ。


こんな感じです。

今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。

ではまた。

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