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2018年4月11日水曜日

Bob Dylan - Just like a woman

こんばんは、古い音楽をお届けする音楽文章ラジオのお時間がやって参りました。進行は、名久井翔太です。どうぞよろしく。

早速、洋楽和訳のコーナーです。

今日の洋楽

今日はボブ・ディランで「女の如く」です。



ボブ・ディラン作曲です。1966年のアルバム『ブロンド・オン・ブロンド』収録曲です。また同じ年にシングルカットされ、ホット100で33位を記録しました。

何度かライブでも演奏されていますが、特に印象に残っているのはジョージ・ハリソン主催のバングラデシュ・コンサートです。

この歌は4分の3拍子ですが、上のライブでは普通にエイトビートというか、拍子を変えて演奏されています。それ以外にも拍子を変えて演奏されたものはありますが、初めてその状態で聴いたのはバングラデシュ・コンサートの時です。

「女」とは誰なのかという事なのですが、アコギからエレキに持ち替えてブーイングを受けつつもそれに物ともせず活動していた1965年ごろに出会った、女優イーディ・セジウィックという女性だと言われています。

イーディ・セジウィックは当時ポップ・アートの先駆者、アンディ・ウォーホルと関係を持っていました。

心の中では拠り所を探していたボブ・ディランは、たちまちイーディに恋するようになりました。ボブ・ディランとの関係に嫉妬したアンディは、次第にイーディと距離を置いて、自身の工房「ファクトリー」の新しいスター、イングリッド・スーパースターと関係を持ち始めます。

イーディの方は、やがてボブ・ディランとも別れ、ドラッグ漬けになって28歳で亡くなった、というのは別の話。

以上の事があって「女の如く」が出来た、といわれています。

ホリーズやマンフレッド・マン、ジョー・コッカー、リック・ネルソンがカバーしています。

では和訳です。

Nobody feels any pain

Tonight as I stand inside the rain

Ev'rybody knows

That Baby's got new clothes

But lately I see her ribbons and her bows

Have fallen from her curls


俺が雨の中立っていても、

誰も痛みなんて感じない。

彼女がオシャレに目覚めたって、

みんな知ってるさ。

でも俺は見ちまった、蝶結びにした彼女のリボンが、

彼女の髪から無くなってたって。


She takes just like a woman, yes she does

She makes love just like a woman, yes she does

And she aches just like a woman

But she breaks just like a little girl.


彼女は女みたいに振る舞うんだ。

そうさ、彼女は女みたいに愛するんだ。

そうさ、彼女は女みたいに痛むんだ。

そして少女みたいに壊れていくんだ。


Queen Mary, she's my friend

Yes, I believe I'll go see her again

Nobody has to guess

That Baby can't be blessed

Till she finally sees that she's like all the rest

With her fog, her amphetamine and her pearls


女王メアリー、彼女は俺の友達さ。

そうさ、また彼女に会いに行くだろう。

誰でも知ってるさ、

彼女が祝福される事は無いって。

霧やアンフェタミンや、真珠を、

他の子みたいに欲しがることに気づくまで。


She takes just like a woman, yes she does

She makes love just like a woman, yes she does

And she aches just like a woman

But she breaks just like a little girl.


彼女は女みたいに振る舞うんだ。

そうさ、彼女は女みたいに愛するんだ。

そうさ、彼女は女みたいに痛むんだ。

そして少女みたいに壊れていくんだ。


It's was raining from the first

And I was dying there of thirst

So I came in here

And your long-time curse hurts

But what's worse

Is this pain in here

I can't stay in here

Ain't it clear that.


最初から雨が降ってて、

俺は喉の渇きで死にかけていた、

だからここに来た。

長年の君の裏切りが苦しくなって来た、

でも悪いのはこの痛みが、

ずっと続くって事さ。

俺はここにはいられない。

ハッキリしてるだろ。


I just can't fit

Yes, I believe it's time for us to quit

When we meet again

Introduced as friends

Please don't let on that you knew me when

I was hungry and it was your world


俺と彼女は合わないんだ。

そうさ、もう別れる時が来たんだ。

でももし俺たちがまた合って、

友達だって紹介したら、

俺が君の世界で飢えてた時の事を、

話さないでくれ。


Ah, you fake just like a woman, yes you do

You make love just like a woman, yes you do

Then you ache just like a woman

But you break just like a little girl.


君は女みたいに思わせぶる。

そうさ、君は女みたいに愛するんだ。

そうさ、君は女みたいに痛むんだ。

そして少女みたいに壊れていくんだ。


こんな感じです。


「メアリー」とか、「飢えてた」とか「髪のリボンが無くなった」とか、当事者にしか分からないような事が鮮明に描かれた、男女の関係のもつれの歌です。


今日はこの辺でお時間です。洋楽和訳のリクエスト・感想ございましたらコメントくださいませ。


ではまた。

1 件のコメント:

  1. Bob Dylan がソニーでなく,コロンビアの時代には,コロンビアは2枚組の Blond on blond をばらして売っていました.私が買ったのは2枚目の方で Just like a woman は入っていませんでした.1970年頃にはソニーが本来の2枚組で出して,そこで始めてこの曲を聞きました.一番の気に入りは,Before the flood に入っている演奏です.
     Queen Mary は,The Rolling Stones の Lady Jane に My sweet Marieとして登場するイングランド女王ですが,イギリス史上ほぼ最悪の王で,こんな渾名を付けられるくらいだから,余程みんなから嫌われる女かと思うと,曲全体の感じではそれほどでもない.無理して突っ張って大人の女の振りをしているが,無理が破綻して少女のような本姓を表してしまう,むしろ弱いところのある可愛らしい女と描かれています.モデルとしては何人かの女が混じり合っているのでしょうが,時期から言って Joan Baez の感じが強いように思います.特に「お前が俺にあったのは,俺が空腹で,お前の天下だった時だ」は,最初の頃のDylanと Joan Baez の関係にぴったりです.
     Dylanがどこかで書いていましたが,最初は Joan の妹の Mimi に目を付けていたら,Joan が割り込んできて,結局有無を言わせずカップルになったようです.その頃のフォークソングの世界では,Joan Baez の存在感はきわめて高かったということでしょうか.Mimi はすぐ後に Richad Fariñaと結婚し,Richard Fariñaの作曲でそれなりの演奏を残しています.Richard Fariñna はダルシマーの演奏者で,これが Brian Jones に影響し,Lady Jane のダルシマー演奏に繋がったと言われています.

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